ニュース速報

ビジネス

英小売売上高指数、10月は前月比-0.1% 予想外の減少

2019年11月15日(金)00時28分

 11月14日、英国立統計局(ONS)が発表した10月の小売売上高指数は前月比0.1%低下し、前年比では3.1%上昇した。写真はロ2018年12月27日、ロンドンのウエストエンドで撮影(2019年 ロイター/Henry Nicholls)

[ロンドン 14日 ロイター] - 英国立統計局(ONS)が発表した10月の小売売上高指数は前月比0.1%低下し、前年比では3.1%上昇した。ロイター調査によるエコノミスト予想は前月比0.2%上昇、前年比3.7%上昇だった。英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)を巡る混乱にもかかわらず個人消費はこれまで比較的堅調に推移し、英国経済を支えてきたが、12月12日の総選挙を前に予想外の落ち込みを見せた。

8─10月の小売売上高指数は、5─7月と比べて0.2%上昇。これは2018年2─4月以来の低い伸びとなる。前年同期比では2.9%上昇だった。

基調的な消費需要を示すとされる自動車燃料を除く指数も依然として弱く、ロイター調査で得られたエコノミスト予想を全て下回った。

ONSの報道官は「販促イベントやクリスマス製品の投入前倒しの効果で、デパートは10月に持ち直した。それでもなお、より長期的にみるとかなり落ち込んでいる」と指摘した。

先行き不透明感から投資を手控える企業が多いのとは対照的に、低インフレや賃金の伸びを背景に英国の消費者はこれまでブレグジットの混乱の影響を受けず、英国経済を支えてきた。

しかし、政局の混乱が続き、12月12日に総選挙を控えて消費者も慎重姿勢に傾き始めている兆しがうかがわれる。

アクセンチュアの小売部門責任者、リンダ・ペザリック氏は、10月の小売売上高指数を受け、「不確実性に満ちた1年間を経て小売セクターが課題に直面していることを示している」と述べた。

スーパーマーケットのセインズベリーは前週、クリスマスまでは好調な売れ行きが期待できるものの、2020年に入ってもまだブレグジット問題が解決されていなければ消費者の間に失望感が広がる恐れがあるとの見解を示した。

ベビー用品販売チェーン大手のマザーケアは5日、英国内の店舗をすべて閉鎖すると発表した。これにより少なくとも2500人の雇用が失われるという。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2019 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ネットフリックス、ワーナー資産買収で合意 720億

ワールド

EU、Xに1.4億ドル制裁金 デジタル法違反

ビジネス

ユーロ圏第3四半期GDP、前期比+0.3%に上方修

ワールド

米、欧州主導のNATO防衛に2027年の期限設定=
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%しか生き残れなかった
  • 2
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させられる「イスラエルの良心」と「世界で最も倫理的な軍隊」への憂い
  • 3
    高市首相「台湾有事」発言の重大さを分かってほしい
  • 4
    【クイズ】17年連続でトップ...世界で1番「平和な国…
  • 5
    「ボタン閉めろ...」元モデルの「密着レギンス×前開…
  • 6
    左手にゴルフクラブを握ったまま、茂みに向かって...…
  • 7
    ロシアはすでに戦争準備段階――ポーランド軍トップが…
  • 8
    日本酒の蔵元として初の快挙...スコッチの改革に寄与…
  • 9
    「ロシアは欧州との戦いに備えている」――プーチン発…
  • 10
    主食は「放射能」...チェルノブイリ原発事故現場の立…
  • 1
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙すぎた...「心配すべき?」と母親がネットで相談
  • 2
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体を東大教授が解明? 「人類が見るのは初めて」
  • 3
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%しか生き残れなかった
  • 4
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 5
    128人死亡、200人以上行方不明...香港最悪の火災現場…
  • 6
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 7
    【クイズ】世界遺産が「最も多い国」はどこ?
  • 8
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 9
    【クイズ】17年連続でトップ...世界で1番「平和な国…
  • 10
    日本酒の蔵元として初の快挙...スコッチの改革に寄与…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 6
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 7
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 8
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中