ニュース速報

ビジネス

日経平均は3日ぶり反発、上海株急伸で買い戻し

2018年10月22日(月)15時54分

 10月22日、東京株式市場で日経平均は3日ぶりに反発した。外部環境の不透明感を嫌気した売りが先行し、朝方は一時260円まで下げ幅を拡大した。写真は都内で9月撮影(2018年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 22日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は3日ぶりに反発した。外部環境の不透明感を嫌気した売りが先行し、朝方は一時260円まで下げ幅を拡大した。だが中国市場では政府による景気支援や市場安定化への取り組みなど政策期待が広がり、上海総合指数<.SSEC>が4%を超す急伸となった。これを支えに日本株は持ち直し、後場にプラスに転じた。

TOPIXも3日ぶりに反発。セクター別では鉱業、食料品、水産・農林が上昇率上位にランクイン。石油・石炭と医薬品、精密機器がさえない。東証1部の売買代金は2兆1009億円と商いは低調だった。

トランプ米大統領は中間所得層を対象にした減税を検討していることを明らかにした一方、米国が旧ソ連との間で結んだ中距離核戦力(INF)廃棄条約から離脱するとも表明。地政学リスクの高まりが警戒された。ただ日経平均が2万2200円台後半まで下落すると、押し目買いが入った。さらに上海株の上昇を受け買い戻しの流れが加速。日中の値幅は400円と荒い展開となった。

市場では「投資家が弱気に傾きつつあったなか、中国株の上昇に連動する形でアルゴリズムが動いた印象。日経平均の予想PER(株価収益率)は朝方に瞬間的に13倍を割ったとみられるが、改めてPER13倍が『岩盤』の水準ということも意識させた」(エース経済研究所・取締役市場分析グループストラテジストの西尾宣博氏)との声が聞かれた。

個別銘柄では川崎重工業<7012.T>が大幅安。同社は19日、2019年3月期の連結業績予想を下方修正したと発表し、嫌気された。北米向けの車両事業で損失が発生。ボーイングの航空機「787」用エンジンのトラブルに伴う費用負担も響く。通期の純利益予想は従来の470億円から310億円(前年比7.2%増)に見直した。

半面、石川製作所<6208.T>や豊和工業<6203.T>、東京計器<7721.T>がしっかり。トランプ米大統領のINF廃棄条約離脱表明で地政学リスクの高まりが警戒される中、防衛関連銘柄に思惑買いが入った。

東証1部の騰落数は、値上がり1216銘柄に対し、値下がりが792銘柄、変わらずが100銘柄だった。

日経平均<.N225>

終値      22614.82 +82.74

寄り付き    22374.21

安値/高値   22271.59─22672.25

TOPIX<.TOPX>

終値       1695.31 +2.46

寄り付き     1680.61

安値/高値    1674.39─1700.26

東証出来高(万株) 113506

東証売買代金(億円) 21009.14

ロイター
Copyright (C) 2018 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、ウクライナ和平の進展期待 ゼレンスキー

ワールド

中国外相、タイ・カンボジア停戦を評価 相互信頼再構

ワールド

米ロ首脳が電話会談、両氏は一時停戦案支持せずとロ高

ワールド

米ウクライナ首脳、日本時間29日未明に会談 和平巡
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 2
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と考える人が知らない事実
  • 3
    【銘柄】子会社が起訴された東京エレクトロン...それでも株価が下がらない理由と、1月に強い秘密
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 6
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」と…
  • 7
    「アニメである必要があった...」映画『この世界の片…
  • 8
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 9
    2026年、トランプは最大の政治的試練に直面する
  • 10
    素粒子では「宇宙の根源」に迫れない...理論物理学者…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 6
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 7
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 8
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 9
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 10
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 6
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 10
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中