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トランプ米大統領、連日のFRB批判 利上げ「ばかげている」
10月11日、トランプ米大統領は連邦準備理事会(FRB)の利上げは利払い負担を重くしているため「ばかげている」と一蹴、前日に続きFRBの政策を批判した。ペンシルベニア州エリーで10日撮影(2018年 ロイター/LEAH MILLIS)
[ワシントン 11日 ロイター] - トランプ米大統領は11日、連邦準備理事会(FRB)の利上げは利払い負担を重くしているため「ばかげている」と一蹴、前日に続きFRBの政策を批判した。
トランプ大統領はフォックス&フレンズとのインタビューで「FRBのせいで、高い金利を支払っている。FRBは大きな過ちを犯しており、これほどまでに積極的でないことを望む」と述べた。
トランプ氏がFRBを重ねて批判する背景には連日の米株価急落がある。FRBの利上げ戦略が株安の一因となっており、特に安全資産とされる米国債の利回り上昇を招いていることが嫌気されている。
国家経済会議(NEC)のカドロー委員長は米CNBCに対し、FRBの利上げは「経済が健全であることの証しで、恐れるよりも歓迎すべきことだ」と強調。「大統領はFRBに政策を指南することはしていない。FRBは独立しており、やりたいようにやるだろう」と述べてトランプ氏の発言を補足した。
トランプ氏はその後、パウエルFRB議長について、解任する意向はなく、単に失望しているだけだと発言した。
過去の歴代米大統領もFRBを批判したことはあるものの、これほど強烈な批判はトランプ大統領としても異例だ。10日に米株式市場が引けてから、トランプ大統領はFRBを「狂ってる」、「どうかしている」、「ばかげている」、「小ざかしい」と呼び、利上げが「過度に積極的」、「大きな過ち」と批判を重ねている。
FRBは一連の利上げでフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を2.00─2.25%まで引き上げているが、金利水準は1990年から2007年のリセッション入りまでの期間の平均の半分にとどまっている。
トランプ氏は10日夜にも、「FRBが必死になっていることを問題と感じている。利上げはばかげている」とした上で、「FRBはどうかしている。利上げをする理由はない。私は満足に感じていない」と述べていた。
FRBのある当局者は、FRBが大統領の発言についてコメントすることはないと述べた。
一方、国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事を含む海外の経済首脳はFRBの擁護に回った。ラガルド氏はパウエルFRB議長と「クレイジーさ(狂気)」は結びつかないとコメントした。
FRBは前月利上げを決定し、12月も追加利上げを行う見通し。パウエル議長を含むFRBの当局者らはこれまで、政治家の発言には影響を受けずに経済指標に基づいて政策を決定する考えを明確にしている。
*内容を追加しました。