ニュース速報
ビジネス
アングル:イタリアの予算計画、想定される欧州委の対応
10月1日、イタリア政府は来年度予算案で2019年から3年間の財政赤字の対国内総生産(GDP)比率を2.4%とする目標を打ち出し、債務削減には取り組まない姿勢を示した。写真は5月、ローマで撮影(2018年 ロイター/Tony Gentile)
[ブリュッセル 1日 ロイター] - イタリア政府は来年度予算案で2019年から3年間の財政赤字の対国内総生産(GDP)比率を2.4%とする目標を打ち出し、債務削減には取り組まない姿勢を示した。
欧州連合(EU)は加盟国に財政赤字をGDP比3%、債務残高を同60%以内に抑えるよう求めており、イタリアがこの基準に抵触するか、そのリスクが高まれば、警告や制裁を発動する。EUの統計局によると、イタリアの公的債務の対GDP比は133.4%で、加盟国ではギリシャに次いで高い。
イタリアの予算案について想定される欧州委の対応をまとめた。
●予算案提出期限は10月15日
欧州委員会は財政・経済政策の調整プロセスの一環として、10月か11月に加盟国の今後数年間の予算案を点検する。イタリアを含むユーロ圏19カ国は10月までに、欧州委に予算案を提出する。
欧州委の選択肢は(1)肯定的な反応を示す(2)政府に見直しを求める(3)計画を拒否する─の3つ。これまでに(3)の対応を取ったことはない。
●来春に制裁発動か
欧州委がイタリアの予算案を拒否した場合、イタリア政府は予算案の見直しが必要になる。しかしイタリアが見直しを拒否すると、欧州委はイタリア政府に対する制裁措置に向けた手続きを開始せざるを得なくなる。制裁措置の判断は通常、最終的なデータの入手が可能になる4月以降となることから、春以前の発動はないだろう。
制裁措置では基準に抵触した国に罰金を科すことが可能だ。
しかしイタリア政府は、フランスが9年間にわたって財政規律に違反しながら制裁手続きを免れたことを承知している。スペインとポルトガルも2016年に財政赤字が基準を超えたが罰金を免れた。
これまでに制裁手続きに基づいて罰金を科された国はない。