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欧州市場サマリー(14日)

2018年08月15日(水)03時37分

[14日 ロイター] - <ロンドン株式市場> 不安定な相場展開の後、続落して取引を終えた。前週末から相場の重しとなっていたトルコの通貨危機を巡る懸念が後退したものの、この日は銅の値下がりが鉱工業銘柄の重しとなった。

チリ産銅大手アントファガスタは7.0%下落した。上半期のコア利益が前年比で16.2%減となったことが嫌気された。同社は軟調な決算の理由として鉱石の質の悪化とコスト増加を挙げた。また、貿易摩擦を指摘した上で軟調な業績見通しを示した。

また、中国の経済指標が同国の経済が鈍化していることを示唆したことから、世界最大の金属消費国による需要が減るとの懸念から銅が値を下げた。銅の値下がりが鉱工業銘柄の売り材料となり、金・銀生産のフレスニロは1.5%安、英豪系資源大手リオ・ティントとスイスの商品取引・資源大手グレンコアは1.3%と0.8%それぞれ下落した。

一方、保険のEシュアは3.9%上昇した。米ベインキャピタルからの12億1000万ポンド規模の買収提案が好感された。アセンド・マーケッツのアナリスト、Artjom Hatsaturjants氏は「全額現金での買収提案であることも株主にとって好材料だった」とした。

ロンドン株式市場:[.LJP]

<欧州株式市場> まちまちで取引を終えた。前日まで2営業日大幅続落していたが、この日はトルコの通貨危機の波及を巡る懸念が後退した。

トルコを巡る懸念で最大の打撃を受けてきたSTOXXユーロ圏銀行株指数<.SX7E>はこの日も0.60%低下したものの、投資家らは銀行のトルコへのエクスポージャーは対処可能であると前向きになってきている。

AFSグループのアナリストJauke de Jong氏は「トルコへのエクスポージャーがある欧州の銀行はいくつかだけだ。よって昨日みられた銀行株の売り込みは総じて行き過ぎていたと言えるだろう」と述べた。

チリの銅生産会社アントファガスタは7.0%下落した。鉱石の質の悪化とコスト増加が影響し上半期利益が減少した。また、貿易摩擦に伴い需要が減るだろうとの見通しを示した。

イタリアの空港運営会社アトランティアは5.4%下落した。イタリア北部ジェノバで、高速道路の高架橋が崩落し、少なくとも35人が死亡した。現場は激しい雨に見舞われていた中、高速道路の管理運営会社アウトストラーデが保守整備を行っていたという。アトランティアはアウトストラーデを保有する。

一方、ドイツのエネルギー大手RWEは3.6%上昇。子会社イノジーを分割し、エーオンと資産を分け合う計画について、順調に進んでいるとしたほか、上半期利益が市場予想と一致したことが好感された。

欧州株式市場:[.FJ]

<ユーロ圏債券> このところ急上昇していたイタリア国債利回りが低下した。政府関係者の発言が市場に安心感を与えたほか、トルコ危機の波及懸念がひとまず収まった。

トルコ通貨危機が世界市場に混乱をもたらす中、イタリア国債利回りは前日、2カ月ぶり高水準を記録したが、この日は1週間ぶりに低下した。

イタリアのコンテ首相とトリア経済・財務相らが前日、2019年の予算案について協議し、財政の安定を維持し公的債務を削減するとの考えで一致。市場に安心感が広がった。

イタリア10年債利回りは一時7ベーシスポイント(bp)下げて3.03%を付けた後、約3.05%で推移した。前日には2カ月ぶり高水準(3.109%)を付けていた。

5年債利回りは一時9bp低下して2.31%。2年債利回りは6bp下げた。

イタリアとドイツの10年債利回り差 は272bpと、前日記録した280bpから縮小した。

スペインとポルトガルの10年債利回りは1─3bp低下した。

市場関係者らは、トルコの政策当局がリラを巡って追加策を打ち出すのかを注視している。追加策は周辺国債券の追い風となる。

リスク回避の動きが後退したことに伴い、ドイツや米国、日本の債券利回りは上昇した。

ドイツ10年債利回りは1bp上昇して0.33%と、前日に付けた1カ月ぶり低水準を上回った。ドイツの第2・四半期国内総生産(GDP)速報値が前期比0.5%増と、市場予想を上回った。

第2・四半期のユーロ圏GDP改定値は前期比0.4%増と、市場予想の0.3%増を上回った。

ただ改定値が公表されても、域内債券利回りはおおむね変わらずとなった。6月のユーロ圏鉱工業生産は前月比0.7%減で、市場予想の0.4%減よりも落ち込みが大きく、ドイツ国債利回りを押し上げる動きが幾分薄らいだ。

ユーロ圏金融・債券市場:[DE/BJ]

ロイター
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