ニュース速報

ビジネス

米テスラ、非公開化計画でシルバーレイクとGSから助言=CEO

2018年08月14日(火)14時35分

 8月13日、米電気自動車メーカー大手テスラのマスクCEO(写真)は、同社の株式非公開化計画について、買収ファンドのシルバーレイクと米金融大手ゴールドマン・サックスが財務アドバイザーを務めているとツイッターで明らかにした。ミシガン州で2015年1月撮影(2018年 ロイター/Rebecca Cook)

[13日 ロイター] - 米電気自動車(EV)メーカー大手テスラのマスク最高経営責任者(CEO)は13日、同社の株式非公開化計画について、買収ファンドのシルバーレイクと米金融大手ゴールドマン・サックスが財務アドバイザーを務めているとツイッターで明らかにした。

ただ、関係筋によると、シルバーレイクは正式な財務アドバイザーとしての契約は交わしておらず、無償でマスク氏に助言を与えているもよう。また、シルバーレイクは投資家として非公開化計画に参加することについては現時点で話し合っていないという。シルバーレイクとゴールドマンはコメントを差し控えた。

マスク氏はまた、非公開化計画において、法律事務所のワクテル・リプトン・ローゼン・アンド・カッツ、マンガー・トレス・アンド・オルソンが法律アドバイザーを務めるとツイッターに投稿した。

両事務所はコメントの求めに応じていない。

マスク氏は先週7日、1株当たり420ドルでテスラの株式を非公開化することを検討中で、資金は「確保した」とツイッターで発表。金融市場を驚かせた。

ただ、実際に資金を確保した証拠は示されず、テスラの株主はマスク氏の投稿を巡って集団訴訟を提起。米証券取引委員会(SEC)はマスク氏の発表の手法や内容の信頼性について調査していると報じられている。

マスク氏は自ら示した非公開化計画の信頼性を高めようと、経緯の説明に努めている。

マスク氏は13日のツイートに先立ち、サウジアラビアの政府系ファンド(SWF)が2年ほど前からテスラの非公開化を巡り複数回にわたり支援を申し出ていたこと、このファンドと他の投資家との協議が継続中であることをブログで明らかにした。

同氏は「7月31日に行った会合では、サウジSWFとの合意成立に疑いはなく、あとは単にプロセスを開始するかどうかの問題だった」とし、「それを理由に8月7日に『資金を確保した』と述べた」と説明した。

マスク氏の説明にもかかわらず、13日の株価は小幅高で終了。投資家が非公開化の実現可能性に懐疑的であることが示された。

マスク氏はブログで、テスラ既存株主の約3分の2が非公開化後も新会社の株主にとどまることを見込むとしつつも、非公開化構想を巡り主要株主らと協議を重ねていることを明らかにした。

大半の資本を株式から調達するとの見通しを明らかにし、債務負担を増大させるのは「賢明」でないとの認識も示した。資金の調達先や方法などの詳細な計画に言及することは「時期尚早」とした。

*内容を追加します。

ロイター
Copyright (C) 2018 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

日経平均は反発、日銀現状維持で一段高 連休前に伸び

ビジネス

ANAHD、今期営業益予想18%減 コロナ支援策の

ビジネス

村田製、発行済み株式の2.33%・800億円を上限

ビジネス

村田製の今期予想、4割の営業増益 スマホ向けなど回
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された米女優、「過激衣装」写真での切り返しに称賛集まる

  • 3

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」──米国防総省

  • 4

    今だからこそ観るべき? インバウンドで増えるK-POP…

  • 5

    未婚中高年男性の死亡率は、既婚男性の2.8倍も高い

  • 6

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 7

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    「鳥山明ワールド」は永遠に...世界を魅了した漫画家…

  • 10

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 10

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 4

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 7

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこ…

  • 8

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 9

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 10

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中