ニュース速報

ビジネス

中国の新規人民元建て融資、6月は1.84兆元 予想上回る

2018年07月13日(金)22時23分

 7月13日、中国人民銀行(中央銀行)の発表によると、6月の新規人民元建て融資は1兆8400億元(2749億1000万ドル)だった。写真は人民元紙幣、2013年7月撮影(2018年 ロイター/Jason Lee)

[北京 13日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)の発表によると、6月の新規人民元建て融資は1兆8400億元(2749億1000万ドル)だった。アナリスト予想(1兆6000億元)を上回った。

5月は1兆1500億元だった。

民生銀行(北京)のエコノミストは、「一段の銀行預金準備率引き下げで潤沢な流動性は維持される可能性が高い。ただ実体経済へのマネー流入を確実にしなければならない。予想を上回った6月の融資は、リスク管理で貸出を計上するよう銀行に迫るなか、金融セクターの構造変化も反映している」と述べた。

2017年の新規人民元建て融資は13兆5300億元と過去最高を更新していた。

中国当局は、内需が鈍化し、米国との貿易摩擦による悪影響が広がる可能性があることから、政策支援を強化しデレバレッジ(債務圧縮)への姿勢を緩和している。

6月のマネーサプライM2伸び率は前年比8.0%。予想の8.3%を下回った。5月は8.3%だった。

6月のM2伸び率は、ロイターのデータ集計が開始した少なくとも1996年1月以来、最も低い水準となった。

人民銀は、金融システムのデレバレッジに向けた取り組みにより、M2伸びの鈍化が「ニューノーマル」となる可能性を指摘している。

6月末時点の人民元建て融資残高は前年比12.7%増加し、予想(12.5%増)を上回った。5月末時点では12.6%増だった。

住宅ローンが大半を占める家計への融資は7073億元で、5月の6143億元から増加した。

家計への融資は6月の新規融資全体の38.4%を占めた。5月は53.4%だった。

企業向け融資は9819億元で、5月の5255億元から増加した。

6月の社会融資総量は1兆1800億元(1763億ドル)で、5月の7608億元から大幅に増加した。

6月末時点の社会融資総量残高は前年比9.8%増の183兆2700億元(27兆3700億ドル) だった。

社会融資総量は、通常の銀行貸出システム外のオフバランス融資を含み、シャドーバンキングの動きを示す目安とされている。

国営メディアによると、人民銀当局者は上期の社会融資総量の鈍化についてデレバレッジ対策によるものとの認識を示した。

*内容を追加して再送します。

(※原文記事など関連情報は画面右側にある「関連コンテンツ」メニューからご覧ください)

ロイター
Copyright (C) 2018 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米肥満薬開発メッツェラ、ファイザーの100億ドル買

ワールド

米最高裁、「フードスタンプ」全額支給命令を一時差し

ワールド

アングル:国連気候会議30年、地球温暖化対策は道半

ワールド

ポートランド州兵派遣は違法、米連邦地裁が判断 政権
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 2
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2人の若者...最悪の勘違いと、残酷すぎた結末
  • 3
    「路上でセクハラ」...メキシコ・シェインバウム大統領にキスを迫る男性を捉えた「衝撃映像」に広がる波紋
  • 4
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    クマと遭遇したら何をすべきか――北海道80年の記録が…
  • 7
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 8
    【銘柄】元・東芝のキオクシアHD...生成AIで急上昇し…
  • 9
    なぜユダヤ系住民の約半数まで、マムダニ氏を支持し…
  • 10
    長時間フライトでこれは地獄...前に座る女性の「あり…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 5
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 6
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 7
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 8
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 9
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2…
  • 10
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 9
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 10
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中