ニュース速報

ビジネス

インタビュー:スマート口座で300万人の顧客獲得、収益効果100億円=りそな社長

2018年05月29日(火)03時15分

5月28日、りそなホールディングスの東和浩社長は、スマートフォンを利用した口座サービスにより2022年度までに新規のリテール顧客を300万人獲得し、収益効果100億円の上積みを図りたいと語った。写真は2011年1月、都内で撮影(2018年 ロイター/Yuriko Nakao)

[東京 29日 ロイター] - りそなホールディングスの東和浩社長は、ロイターとのインタビューで、2月に導入した、スマートフォンを利用した口座サービスにより2022年度までに新規のリテール顧客を300万人獲得し、収益効果として100億円の上積みを図りたいと語った。

りそなは約1300万の稼働口座を持つが、実際に収益の中心になっているのは100万口座にとどまるという。東社長は、スマート口座を利用することで実際に取引できる顧客層を広げ、低い手数料を長期間にわたって得られるビジネスモデルを確立すると述べた。

主なやり取りは以下の通り。

――どのようなリテールビジネスを目指すのか。

「リテールビジネスの方向は、2つあると思う。1つ目は、収益性の高い消費者ローンのようなアセットを売ること。2つ目は、決済や運用などの幅広い機能を提供し、安価な手数料をもらうやり方だ。両方のミックスだと思うが、りそなの方向感は後者だ」

「キーワードは『薄く』『広く』『長く』。個人向けカードローンなどは既存の銀行のシステムでやることは簡単だ。しかし、クレジットカードなどの決済や、運用報酬などを得る手数料ビジネスは、システムコストも掛けなければならないし、取り引きボリュームを増やさなければ収益が取れない。差別化もできるし、参入障壁も高い」

――2月からスマート口座の導入を始めた。

「1日1人の顧客から手数料10円を頂くことを目指す。それを300万顧客にできれば、1年で100億円の収益になる。目標は1日10円と小さな単位だが、実は100億円のビジネスを作っていくのがスマート口座だ」

「スマート口座では通常の銀行決済や送金はもちろん、自動車税の支払いなどもできる。今後は、車を借りるときや旅行する際のワンコイン保険なども購入できる。デビットカードを月に1万円くらい使ってもらい、投信の残高が20万円くらいあれば、1日10円の手数料目標は達成できる計算だ」

――個人向けカードローンをリテールビジネスの活路にしている銀行もある。

「大量の広告宣伝を打って、新しい顧客を獲得し、リミットまで貸して、そして次の顧客を探すというビジネスモデルには、永続性がないのではないか。参入障壁としては低く、新規参入しやすいが、結局、社会的な問題を引き起こしてしまう。近江商人の心得としてある『(売り手、買い手、世間の)三方良し』から外れてしまう」

――手数料ビジネスの柱とするファンドラップ口座の残高は。

「昨年2月から始めて、法人も入れて2700億円に増加した。手数料は業界最低水準で、パフォーマンスも比較的よい。リスクはあまり取らないという銀行の顧客向けという発想で、積み上げスピードは速い。21年度までに1兆3000億円に増やしたい」

「今は、低金利で右肩下がりで収益が落ちている。ラップのようなストック型フィービジネスが遅れれば遅れるほど谷が深くなる。この残高をいかに早く持ち上げていくかが重要だ」

※このインタビューは、22日に実施しました。

(布施太郎 編集:田巻一彦)

ロイター
Copyright (C) 2018 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米国株式市場=反落、対イラン作戦の早期終結期待が薄

ビジネス

NY外為市場=ドル小幅高、中東情勢にらみリスク回避

ワールド

トランプ氏、イランにホルムズ海峡の機雷撤去要求 「

ワールド

原油先物11%安、供給懸念後退も専門家は早期回復に
MAGAZINE
特集:教養としてのミュージカル入門
特集:教養としてのミュージカル入門
2026年3月17日号(3/10発売)

社会と時代を鮮烈に描き出すミュージカル。意外にポリティカルなエンタメの「魔力」を学ぶ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 3
    キャサリン皇太子妃、英連邦デー式典に出席...公開された皇太子夫妻の写真が話題に
  • 4
    「一日中見てられる...」元プロゴルファー女性の「目…
  • 5
    40年以上ぶり...イスラエル戦闘機「F-35I」が、イラ…
  • 6
    人間ダンサーを連れて「圧巻のパフォーマンス」...こ…
  • 7
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 8
    ホルムズ海峡封鎖、石油危機より怖い「肥料ショック」
  • 9
    身長や外見も審査され、軍隊並みの訓練を受ける...中…
  • 10
    トランプも無視できない? イランで浮上した「危機管…
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 3
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで続くのか
  • 4
    【長期戦はイラン有利】米側の体制転覆シナリオに暗…
  • 5
    キャサリン皇太子妃、英連邦デー式典に出席...公開さ…
  • 6
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 7
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られ…
  • 8
    日本の保護者は自分と同じ「大卒」の教員に敬意を示…
  • 9
    中国はイランを見捨てた? イランの「同盟国」だっ…
  • 10
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力…
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 4
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 5
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...…
  • 6
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 7
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 8
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中