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オープン外債1000億円増、コスト高と政治懸念で非ドル投資拡大=朝日生命

4月25日、朝日生命保険は2018年度にオープン外債を1000億円程度積み増す。フランクフルトで昨年5月撮影(2018年 ロイター/Kai Pfaffenbach)
[東京 25日 ロイター] - 朝日生命保険は2018年度にオープン外債を1000億円程度積み増す。米ドルのヘッジコスト上昇を受けて、為替ヘッジ比率を前期末の87%から80%へ引き下げる。金利収入の確保や米国政治の先行き不透明感なども念頭に、豪ドルやユーロなどドル以外の資産に対する投資も拡大する方針で、現在80%のドル建て債への投資比率を65%へ低下させる。
1000億円の内訳はドル建てが65%、豪ドル、カナダドルなどその他通貨建てが20%、ユーロ建てが15%。
ドル債投資は為替が1ドル=105─110円付近ならヘッジなしを検討するが、105円以下で一段の円高進行の可能性があれば、ヘッジ付きでリスクを回避する。米ドル以外の通貨に対する投資はヘッジ付きを基本とするが、豪ドルは円高局面を捉えてヘッジなしでの投資も狙う。
ヘッジ比率の引き下げ、投資対象資産の拡大はともに、ドルのヘッジコスト上昇への対応が主眼。「年内に3─4回程度と見込まれる米国の利上げが続くとヘッジコストが一段と上昇し、収益の確保が厳しくなる」(資産運用企画部長の鶴岡尚氏)。貿易摩擦の激化といった米トランプ政権の政策の不透明感なども、ドル債投資を抑制する一因だという。
前期の外債投資実績は1100億円増。900億円をヘッジ付き、200億円をヘッジなしで投資した。年度後半の株価急落局面ではヘッジ比率を100%近くまで一時引き上げるなどして、リスク回避に努めた。
<高ボラ環境が持続、市場の懸念一時的なら買い場に>
前期450億円増だった投信・オルタナ関連は、今期も700億円増。株や債券などの投信へ400億円、欧米インフラファンドなどのオルタナへ300億円を振り分ける。
国内債券は前期の900億円減に続き、今期も500億円減。黒田東彦総裁率いる日銀の政策に年内は大きな変更がないとの見方で、現在の円金利水準に投資妙味は乏しいという。
鶴岡氏は今期の運用環境について「貿易摩擦に地政学リスク、安倍政権の支持率低下など多方面に懸念があり、変動率の高い展開となり得る。ただ、市場の懸念が強まる場面でも実体経済への影響が限られるなら、そこは買い場になる。判断は難しいが、目配りしながら臨みたい」としている。
各市場の見通しは以下の通り。
日本国債10年物利回り 0.0─0.2%(年度末0.1%)
米10年債利回り 2.6─3.3%(同3.0%)
日経平均 2万─2万5000円(同2万3000円)
NYダウ 2万3000─2万7000ドル(同2万6000ドル)
ドル/円 100─115円(同110円)
ユーロ/円 122─140円(同135円)
(基太村真司)