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英中銀、時間かけず段階的な利上げを=ソーンダーズ委員

2018年04月21日(土)04時13分

 4月20日、イングランド銀行(英中央銀行、写真)金融政策委員会(MPC)のソーンダーズ委員は、英中銀は時間をかけずに段階的に利上げすべきであり、国内のインフレ圧力が増大する中で、もはや慎重になる必要はないとの見方を示した。ロンドン市内で9日撮影(2018年 ロイター/Hannah McKay)

[グラスゴー(英スコットランド) 20日 ロイター] - イングランド銀行(英中央銀行)金融政策委員会(MPC)のソーンダーズ委員は20日、英中銀は時間をかけずに段階的に利上げすべきであり、国内のインフレ圧力が増大する中で、もはや慎重になる必要はないとの見方を示した。

ソーンダーズ委員は3月のMPCで利上げを支持した1人。その後、第1・四半期の軟調な経済指標が示されたが、悪天候の影響や過去数年間は第1・四半期成長率が上方改定されてきたことを受け、その重要性には「疑問がある」と述べた。

カーニー総裁はBBCニュースに対し、最近の経済指標が強弱混交しているとし、MPCに見解の相違があることを示唆。20日の金融市場では来月のMPCにおける利上げ確率が大きく低下した。[nL3N1RW5Q9]

ソーンダーズ委員は、労働市場からのインフレ圧力が英中銀の2月の見通しよりも強くなっているもようと指摘。経済成長率は向こう数年間で年率1.5─2.0%と、潜在成長率を上回る見込みとした。

また「追加的な引き締め策は段階的なペースで行われ、かつ限られた範囲になる見通し」と繰り返し言及。「段階的」という表現について、「例えば年1回のような頻度の非常に低い利上げペースを意味するものではなく、またMPCが市場に織り込まれている利上げペースよりも速い利上げが出来ないことを意味するわけではない」との見方を示した。

さらに英国の金利はより通常の水準に戻るべきであり、その水準は2%程度とした。

ソーンダーズ氏は大学での講演後、利上げに関する市場の観測をうまく操縦したいとは思わず、MPCの委員の意見の相違が普段より大きかどうかも定かではないと記者団に述べた。

また、会合ごとの市場の観測についてもコメントしないとし、「次回会合に関しては様子を見ようというのが、カーニー総裁の意図したことだと思う」と話した。

*内容を追加して再送します。

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