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ECBの買い入れ債券、第1四半期に81.7億ユーロの評価引き下げ
4月4日、欧州中央銀行(ECB)が公表したデータによると、量的緩和(QE)プログラムに基づいて買い入れた債券で、第1・四半期の評価引き下げが過去最高の81億7000万ユーロ(100億5000万ドル)となった。写真はECB本部。フランクフルトで3月撮影(2018年 ロイター/Ralph Orlowski)
[フランクフルト 4日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)が4日公表したデータによると、量的緩和(QE)プログラムに基づいて買い入れた債券で、第1・四半期の評価引き下げが過去最高の81億7000万ユーロ(100億5000万ドル)となった。
2兆5500億ユーロにおよぶ買い入れにより、ユーロ圏の納税者が損失を被るリスクがあるとの批判が集まっていた。売却のタイミングで、この問題に再び注目が集まる可能性がある。
ECBがインフレ押し上げのため国債を買い入れる大規模QEを2015年に開始して以来、評価の引き下げは四半期ごとに増加してきた。
この「アモチゼーション」と呼ばれる会計上の変更は、債券を額面より高い価額で取得した場合にECBが被る償還差損を効果的にずらすことができる。このペーパーの上での損失は、ECBが保有する多くの債券の利払いで損益通算できるが、短期の独連邦債など金利がマイナスとなっている債券には適用されない。
ユーロ圏の中銀は現時点で、債券買い入れにより利益を出しているものの、この状況は将来変わる可能性がある。
ECBは年内に新規買い入れを停止する予定だが、その後も「長期間」にわたり償還金を再投資する方針を示している。