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欧州市場サマリー(27日)

2018年02月28日(水)04時55分

[27日 ロイター] - <ロンドン株式市場> 小幅に反落して取引を終えた。ただ買収提案を受けた放送局スカイや好決算を発表した住宅建設のパーシモンが買われ、下値は限定的だった。

スカイは20.5%急騰。米ケーブルテレビ最大手コムキャストがスカイに対して買収を提案した。スカイは既に、メディア王ルパート・マードック氏率いる21世紀フォックスによる未保有株の取得に合意しており、フォックスは取得完了後に事業をディズニーに売却する計画だ。スカイをめぐる買収合戦が繰り広げられるとの観測が広がり、株価を押し上げた。民放大手ITVは1.8%の連れ高となった。

パーシモンは4.7%上昇した。配当を2倍以上に引き上げたほか、利益が25%増、予約率が7%増となった。競合のバークレー・グループとテイラー・ウィンペイはともに0.8%の連れ高となった。

ロンドン株式市場:[.LJP]

<欧州株式市場> 反落して取引を終えたものの、買収提案を受けた英放送局スカイが大幅高となり、下げ幅は限定的だった。

この日は米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が、経済指標は米経済が底堅さを増していることを示しており、物価が上昇することに自信を強めていると発言したことで米国株式相場が下落した。2月上旬は、物価と国債利回りの上昇をめぐる懸念で世界的に株価が急落した。ただ今は利回りが安定してきており、株式市場でも圧力がいくぶん和らいでいる。

スカイは20.5%急騰。米ケーブルテレビ最大手コムキャストから310億ドルの現金による買収提案を受けた。スカイをめぐってはメディア王ルパート・マードック氏率いる21世紀フォックスが既に、未保有株を買収し米娯楽大手ウォルト・ディズニーに売却する計画だ。スカイの株価はコムキャストの提示額を大幅に超える水準で取引され、フォックスが買収額を引き上げる可能性が材料視された。

STOXXヨーロッパ600種メディア株指数<.SXMP>は1.36%上昇し、部門別で最も好調だった。

イタリア郵政公社(ポスト・イタリアーネ)は5.8%上昇した。配当を引き上げたほか、5ヵ年計画を発表し、新たな保険商品と宅配事業によって利益を増やすとしたことが好感された。

欧州株式市場:[.FJ]

<ユーロ圏債券>  国債利回りが上昇した。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が初の議会証言で、国内景気が底堅さを増したほか、インフレが加速する見通しを示したことを受け、年内4回の米利上げ観測が強まった。

証言文書によると、パウエル議長は下院金融サービス委員会で、インフレが目標の2%を下回り続けていると指摘し、FRBとして段階的な利上げ方針を堅持すると表明した。

質疑応答時のパウエル議長発言を受け、欧米債券に売り圧力が掛かった。

米10年債利回りが5ベーシスポイント(bp)近く上昇して2.91%となり、ユーロ圏の債券利回りも追随した。

ドイツ10年債利回りが3bp上昇して0.68%、米国債との利回り差は約223bpと、1年2カ月ぶり水準に拡大した。

大和証券キャピタル・マーケッツのエコノミックリサーチヘッド、クリス・シクルーナ氏は、パウエル議長発言の一部を深読みしないよう呼び掛けつつ、「利上げリスクの存在を指摘できる」とも話した。

域内債券利回りの大半が2━3bp上がった。週末のイタリア総選挙前最後の国債入札が堅調な需要を集め、同国債はアウトパフォームした。

目標レンジ上限近くの約77億1000億ユーロを調達し、イタリアに対する地合いがなお底堅いことをうかがわせた。

イタリア10年債利回りは2bp低下して2.09%。イタリアとドイツ国債の利回り差は143bpと、5営業日ぶりの水準に縮小し、最近記録した高水準(152bp)を大きく下回った。

ユーロ圏金融・債券市場:[DE/BJ]

ロイター
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