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欧州市場サマリー(20日)

2018年02月21日(水)05時01分

[20日 ロイター] - <ロンドン株式市場> ほぼ横ばいで取引を終えた。決算が期待外れの内容だった金融大手HSBCが値を下げたほか、金属価格の下落に伴い鉱業銘柄が売られた。

時価総額が欧州最大のHSBCは3.1%下落。年間の税引き前利益の増加幅が市場予想を下回った。そのほか、資源基盤を強化するために向こう4カ月間に最大70億ドル資金調達する計画を明らかにした。

インベステックのアナリストらは投資判断を「ニュートラル」に維持した上で、決算について「全体的に期待外れだ」と述べた。自社株買いを実施しないことも驚きだとした。

銅の値下がりに伴い鉱業株が売られた。資源大手BHPビリトンは好調な決算を発表したにもかかわらず4.6%下落した。トレーダーらは、配当は予想を上回ったものの利益の伸びが予想ほど大きくなかった点を指摘した。

こうした中、中型株で金融取引システム市場の顧客向けにソフトウエア製品を提供するフィデッサは22.5%急騰。金融機関を対象にソフトウェアを提供するテメノスがフィデッサの買収協議で最終段階にあるとする報道が材料視された。

<欧州株式市場> 反発して取引を終えた。好決算が材料視された。

食事券の発行などの企業向けペイメントサービスを提供するフランスのエデンレッドは6.5%上昇した。2017年の利益が過去最高額となったほか、配当を引き上げた。また18年の事業について前向きな見方を示した。

デンマークのソフトウェア企業、シムコープは12.2%値を上げた。通期決算が好感された。

エネルギー銘柄も買われた。石油大手の英BPと英・オランダ系ロイヤル・ダッチ・シェル、イタリアのENI、フランスのトタルは0.2%から1.6%上昇した。

一方、決算が期待外れの内容となった英金融大手HSBCは3.1%下落した。この日退任するガリバー最高経営責任者(CEO)は徹底的な事業改革を推し進めてきた。クレディスイスのアナリストらはHSBCが自社株買いを「必要に応じて」実施すると述べたことに言及し、新たなCEOの下で投資利益戦略が変わることを意味するかもしれないと述べた。HSBCが重しとなりSTOXX欧州600種銀行株指数<.SX7P>は0.10%低下した。

<ユーロ圏債券> 国債利回りが若干上昇した。5月に退任するコンスタンシオ欧州中央銀行(ECB)副総裁の後任にスペインのデギンドス経済相が内定したことで、来年任期が切れるドラギ総裁の後任にはユーロ圏「中核」国出身者が就任するのではないかとの観測が出ていることが背景。

次期ECB総裁にドイツなどのユーロ圏中核国出身者が就任すればECBが将来的にタカ派傾向を強める可能性があり、有力候補の1人と見なされている独連銀のワイトマン総裁はこれまで一貫してECBの資産買い入れ策に反対する姿勢を表明している。

UBSウエルスマネジメントのエコノミスト、リカルド・ガルシア氏は「ワイトマン氏がECB総裁に就いた場合、他の人物が就任した場合よりも金利の正常化プロセスは加速する」とし、「ECBの動静に市場が神経質になっていることを踏まえると、こうしたことは通貨ユーロ、およびユーロ圏の銀行部門に対する支援材料となり、ユーロ圏国債利回りに対しては上向き圧力がかかることになる」と述べた。

独10年債利回りは一時3ベーシスポイント(bp)上昇し0.76%を付けた。終盤の取引では0.73%近辺となっている。同利回りは前週末には0.699%まで低下していた。

仏10年債も同様の動きを示し、一時1%近辺まで上昇した。

ドイツはこの日、39億9000万ユーロの2年債を発行。入札予定額の50億ユーロに届かなかった。

スペインは約2年ぶりにシンジケート団を通して30年債を発行。225億ユーロを超える需要を集めた。

ロイター
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