ニュース速報

ビジネス

欧州市場サマリー(19日)

2017年12月20日(水)05時02分

[19日 ロイター] - <ロンドン株式市場> 続伸して取引を終えた。一部事業の売却が好感された英・南ア系金融サービスのオールド・ミューチュアルが大幅に買われた。

オールド・ミューチュアルは2.7%上昇。一時は6.1%高となる局面もあった。英国の資産運用事業をプライベートエクイティー企業TAアソシエイツに6億ポンド(8億0300万ドル)で売却した。

部門別ではヘルスケアがFT100種を最も大幅に押し上げた。アイルランドの製薬会社シャイアーは3.8%上昇した。英同業のインディビアは2.0%値を上げた。

一部事業が規制される可能性が嫌気され前日に大幅安となった金融取引プラットフォーム運営のIGグループとCMCマーケッツは1.7%と0.2%それぞれ上げ、反発した。

投資家らは米議会による税制改革法案の可決に期待。米国株式相場は過去最高値を更新している。投資家は新たな税制が、企業利益を押し上げ自社株買いを誘発するほか、企業が配当を引き上げるとみている。

ロンドン株式市場:[.LJP]

<欧州株式市場> 反落して取引を終えた。米国の税制改革への期待に伴う強気相場が勢いをなくすにつれ、終盤にかけてマイナス圏に落ち込んだ。

トレーダーによると、売りに転じたきっかけは明確ではない。ただドイツで10年債利回りが3週間ぶりの高水準をつけ、上昇幅が3カ月超ぶりの大きさとなるなど、国債市場が不安定だったことが影響したと指摘。

アンシリア・キャピタル・パートナーズのファンドマネージャーは「国債利回りが急上昇し株式の重しとなった可能性がある。ドイツの国債発行拡大のほかテクニカル要因が債券市場の動きにつながった」と述べた。

STOXX欧州600種公益事業株指数<.SX6P>は1%下落、セクター別で最も振るわなかった。個別銘柄ではイタリアの電力大手エネルが2.7%下落。マッコーリーが投資判断を「アウトパフォーム」から「ニュートラル」に引き下げたことが嫌気された。

不正会計疑惑が重しとなってきた南アフリカの家具製造・販売大手シュタインホフは20.2%急落。金融機関が与信限度枠を縮小し始めていることが嫌気された。

一方、欧州の半導体メーカーのダイアログ・セミコンダクターは8.2%上昇。中国半導体大手の紫光集団がダイアログ株の保有率を9%に増やしたことが買い材料となった。ダイアログ・セミコンダクターが最大顧客である米アップルを失う可能性があるとする11月の報道以降、同社株は値を下げている。紫光集団は株価が落ち込んだ頃から株式を買い増している。

欧州株式市場:[.FJ]

<ユーロ圏債券> ドイツ長期債が債券売りを主導した。ドイツが来年の国債発行増加方針を示したことや、堅調な米経済指標、米税制改革法案の週内可決期待を材料視した。

ドイツ政府は来年の国債発行額を償還額が増えるため今年より増やす計画。30年債は160億ユーロ発行の予定で、今年の約110億ユーロから増加する。今年から増えのは30年債だけとなる。

午後までの取引で、ドイツ30年債利回りは9ベーシスポイント(bp)近く上昇して1.20%で約6週間ぶりの大きな上げ。

ドイツ10年債利回りも0.384%と、3週間ぶり水準に急上昇した。

みずほのユーロ金利戦略部門責任者は「(ドイツ30年債の)売りは、ドイツの供給見通し変更が要因で、ユーロ圏すべての債券利回りを上昇させた」と指摘した。

大半の域内10年債利回りが5━9bp上昇した。ただアナリストは、年末の薄商いで値動きが振れたと強調した。

イタリア10年債は1.9%と10月末以来の高水準。

11月の米住宅着工件数が1年1カ月ぶりの高水準となったことを受け、米国債利回りは急上昇した。

ユーロ圏の5年後から5年間の期待インフレ率を反映するブレーク・イーブン・インフレ率(フォワードBEI)が10カ月ぶり高水準を記録した。

ユーロ圏金融・債券市場:[DE/BJ]

ロイター
Copyright (C) 2017 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

日揮HD、24年3月期は一転最終赤字に 海外事業で

ビジネス

独VWの第1四半期、営業利益が20%減 年間目標は

ビジネス

米テスラ、上級幹部を削減 追加レイオフも実施=ニュ

ビジネス

訂正-日経平均は続伸、米株高を好感 決算手掛かりに
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる4択クイズ

  • 4

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 5

    メーガン妃の「限定いちごジャム」を贈られた「問題…

  • 6

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 7

    「瞬時に痛みが走った...」ヨガ中に猛毒ヘビに襲われ…

  • 8

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 9

    19世紀イタリア、全世界を巻き込んだ論争『エドガル…

  • 10

    ナワリヌイ暗殺は「プーチンの命令ではなかった」米…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 4

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 5

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 6

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 7

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 8

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 9

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 10

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 4

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 7

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 8

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    「誰かが嘘をついている」――米メディアは大谷翔平の…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中