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欧州市場サマリー(17日)

2017年10月18日(水)04時22分

[17日 ロイター] - <為替> ドルが対主要通貨バスケットで1週間ぶりの高値をつけた。次期米連邦準備理事会(FRB)議長選びで、トランプ大統領がタカ派とされるスタンフォード大のジョン・テイラー教授に好印象を抱いたとの一部報道などを受け、米国債利回りが上昇した。

<ロンドン株式市場> 続落して取引を終えた。軟調な業績見通しを示したアトラクション施設などを運営するマーリン・エンターテインメンツが売られたほか、鉱業銘柄も反落した。

ろう人形館「マダムタッソー」やテーマパーク「レゴランド」などを運営するマーリンは取引時間中、21%安となる局面もあった。15.9%安で取引を終え、過去最大の落ち込みを記録した。英国で起きた一連のテロ事件や悪天候が響き、活況時の夏季の業績が振るわなかったとした。

金属価格が3年ぶりの高水準をつけた前日に値上がりした鉱業株はこの日、反落した。

一方、教育出版大手ピアソンは7.3%上昇し、FT100種で最も好調な銘柄だった。通期の営業利益が市場予想の上限に迫るとの見通しを示したことが好感された。

前日に26.6%急落した医療機器メーカーのコンバテックは、いくつかの証券会社が投資判断を引き下げたにもかかわらず、この日は3.9%反発した。

<欧州株式市場> 反落して取引を終えた。一次産品銘柄が売られ全体水準を押し下げた。STOXX欧州600種資源株指数<.SXPP>は1.36%低下、石油・ガス株指数<.SXEP>は0.56%低下した。

アトラクション施設などを運営する英マーリン・エンターテインメンツは15.9%安と、過去最大の落ち込みとなった。英国で起きた一連のテロ事件や悪天候が響き、活況時の夏季の業績が振るわなかったと述べたことが嫌気された。

ドイツの計測機器大手、ザルトリウスは5.7%下落した。顧客による在庫調整や、ハリケーン「マリア」の影響で米領プエルトリコからの配達が一時的に停止したことで、2017年通期の利益と売り上げ見通しを引き下げた。

一方、フランスの食品大手ダノンは2.0%上昇した。取引時間中は2.4%高となる局面もあった。中国で粉ミルクと水製品の需要が力強く回復したことを背景に、第3・四半期の基礎的売上高が市場予想を上回る4.7%増となったことが好感された。

スイス金融大手クレディ・スイスは1.2%上昇した。物言う株主(アクティビスト)のRBRキャピタル・アドバイザーズがクレディ・スイスを3部門に分割するキャンペーンを開始したことが材料視された。

<ユーロ圏債券> イタリア国債価格が上昇、利回りは低下した。イタリアで前週、改正選挙法に関する2つの信任投票が可決されるなど、政治動向の進展が材料視された。イタリア国債とドイツ国債の利回り格差は約3週間ぶりの水準に縮小した。

加えて、欧州中央銀行(ECB)が刺激策の縮小に向け慎重に対応するとの期待感から、他の域内国債も大半が底堅く推移した。

ピクテ・ウエルス・マネジメントのシニアエコノミスト、フレデリック・デュクロゼ氏は、通常なら周辺国債でイタリア国債を買う選択はしないが、カタルーニャ問題などで揺れるスペインとの比較で、短期的にはイタリア国債がアウトパフォームする可能性はある、と指摘した。

イタリア10年債利回りは4ベーシスポイント(bp)低下し2%。ドイツ10年債との利回り格差は164bpに縮小した。

ドイツ10年債利回りは1bp低下し0.36%。一時5週間ぶりの低水準をつけた。他の域内中核国債利回りも1-2bp低下。ECBが資産買い入れ額を減らす一方で、期間を延長する方向に傾いているとの前週の報道を受け、市場では、ECBが買い入れ計画の縮小に向け予想以上に時間をかけるのではないかとの見方が広がっている。

クレディ・アグリコルの欧州債券ストラテジスト、オーランド・グリーン氏は26日のECB理事会の見通しについて「買い入れ額は現在の600億ユーロから400億ユーロに縮小され、買い入れ期間は延長されるだろう」と予想した。

ロイター
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