ニュース速報

ビジネス

トランプ米大統領、自動車大手首脳と会談 新規工場建設強く要請

2017年01月25日(水)04時20分

1月24日、トランプ米大統領は自動車メーカー大手3社の首脳と会談し、米国での生産および雇用の拡大を求めた。写真は右からFCAのマルキオーネCEO、トランプ大統領、GMのバーラCEO。同日、ホワイトハウスで撮影(2017年 ロイター/Kevin Lamarque)

[ワシントン 24日 ロイター] - トランプ米大統領は24日、ホワイトハウスで米自動車メーカー大手3社の首脳と会談し、米国での生産および雇用の拡大を求めた。

会談にはゼネラル・モーターズ(GM)のメアリー・バーラ最高経営責任者(CEO)、フォード・モーターのマーク・フィールズCEO、フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)のセルジオ・マルキオーネCEOが出席。

トランプ大統領は会談の冒頭、米国内に新規の自動車工場が建設されることを望むと述べた。

また記者団に対し「自動車をはじめ、米国内に多くの工場が建設されるよう強く推進していく」とし、「こうした動きが出ている」とした。

米国内でのビジネス環境をより魅力的なものにするため、規制緩和や減税を実施する意向も示した。

GM、フォード、フィアット・クライスラーの3社はそろって、米国内での新規雇用や投資を発表しているが、メキシコへの投資も継続している。

大統領はこれまで、自動車メーカーによるメキシコなどでの海外生産を激しく批判。輸入車には35%の関税を課す構えを見せている。

トヨタ自動車はこの日、2019年秋から米国インディアナ工場で400人を追加雇用し、設備刷新や先端技術の導入に6億ドル(約670億円)を投資すると発表した。旺盛な需要を見込む中型スポーツ用多目的車(SUV)「ハイランダー」を追加で年4万台生産する予定としている。

関係筋によると、米大手首脳は会談で、燃費規制や通商政策、その他の規制問題を取り上げたもようだ。

フィアット・クライスラーのマルキオーネCEOは会談後、記者団に対し、トランプ大統領が掲げている規制緩和について、詳細には触れなかったと明らかにした。

フォードのフィールズCEOは、自動車業界は「米製造業の復興」に向け、トランプ大統領と共に取り組む意向だと表明、大統領が進めている経済政策に勇気付けられたと述べた。

フィールズ氏は環太平洋連携協定(TPP)は貿易相手国による為替相場への介入に対処していないとしており、大統領の脱退決定を高く評価。「すべての貿易障壁の根源は為替操作だ。TPPはこの問題に適切な対応を取っておらず、悪い取引からの撤退を決めた大統領の勇気に感謝している」とした。

GMのバーラCEOは「環境や安全性、雇用創出の改善」に向けて政府と協調する「大きな機会」が存在すると述べた。

米国株式市場で、自動車大手3社の株価は軒並み高となった。

*内容を追加して再送します。

ロイター
Copyright (C) 2017 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

岸田首相、「グローバルサウスと連携」 外遊の成果強

ビジネス

アングル:閑古鳥鳴く香港の商店、観光客減と本土への

ビジネス

アングル:中国減速、高級大手は内製化 岐路に立つイ

ワールド

米、原発燃料で「脱ロシア依存」 国内生産体制整備へ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    外国人労働者がいないと経済が回らないのだが...... 今も厳しい差別、雇用許可制20年目の韓国

  • 2

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

  • 3

    翼が生えた「天使」のような形に、トゲだらけの体表...奇妙な姿の超希少カスザメを発見、100年ぶり研究再開

  • 4

    こ、この顔は...コートニー・カーダシアンの息子、元…

  • 5

    ウクライナがモスクワの空港で「放火」工作を実行す…

  • 6

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 7

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 8

    単独取材:岸田首相、本誌に語ったGDP「4位転落」日…

  • 9

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS…

  • 10

    テイラー・スウィフトの大胆「肌見せ」ドレス写真...…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる4択クイズ

  • 3

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 4

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 5

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 6

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS…

  • 7

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 8

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 9

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 10

    メーガン妃の「限定いちごジャム」を贈られた「問題…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 7

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

  • 10

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中