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円安で企業収益上振れも、米新政権に期待と不安=日銀名古屋支店長

2017年01月16日(月)19時25分

 1月16日、日銀の衛藤公洋名古屋支店長は本店で開かれた支店長会議後の会見で、現行程度の円安水準が定着すれば輸出関連が多い東海地区企業の収益に上方修正余地が生じるとし、こうした期待が企業マインドの下支えに作用しているとの認識を示した。写真は日銀本店。昨年9月撮影(2017年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 16日 ロイター] - 日銀の衛藤公洋名古屋支店長は16日、本店で開かれた支店長会議後の会見で、現行程度の円安水準が定着すれば輸出関連が多い東海地区企業の収益に上方修正余地が生じるとし、こうした期待が企業マインドの下支えに作用しているとの認識を示した。株高・円安の要因になっているトランプ次期米大統領の政策に対する企業の見方は、期待と不安の両面があると語った。

衛藤支店長は、同日に公表した「地域経済報告(さくらリポート)」において東海地区の景気判断を上方修正したと述べ、背景として個人消費や生産の持ち直し、企業の積極的な設備投資姿勢を指摘した。

そのうえで、先行きのリスクとしてトランプ氏の政策運営を含む海外の不確実性と金融市場を指摘。トランプ氏の政策に対しては、大型減税やインフラ投資による米景気の押し上げ期待がある一方、保護主義的とみられる通商政策の行方を懸念する声の両面を企業は意識していると語った。

足元で進行している円安について、輸出関連が多い東海地区の企業は「総じて経済にプラスと受け止めており」、企業が想定為替レートを保守的に見積もっている中、現行程度の為替水準が定着すれば企業業績に「上方修正余地ができる」と指摘。こうした期待感も企業マインドを支えているとの見方を示した。

もっとも、昨年11月の米大統領選以降に円安が急速に進行しただけに、企業も現行程度の相場水準が定着するのか「よく見ていきたい、というスタンスだ」と語った。

(伊藤純夫 編集:山川薫)

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