ニュース速報

ビジネス

ドル下落、低い米成長率や失望誘う日銀緩和で=NY外為

2016年07月30日(土)07時49分

7月29日、ニューヨーク外為市場でドルが下落。写真は2013年2月撮影されたドル・円札(2016年 ロイター/Shohei Miyano/Illustration/File Photo)

[ニューヨーク 29日 ロイター] - ニューヨーク外為市場はドルが下落した。第2・四半期の米国内総生産(GDP)速報値の伸びが予想を下回ったほか、日銀の追加緩和が市場の失望を誘った。

ドル指数は1.22%安の96.566と、5日以来の安値水準をつけた。

円は対ドルで3.05%上昇、11日以来の高値水準となる102.04円を記録した。

米商務省が発表した第2・四半期のGDP速報値は、前期比年率で1.2%増と、伸びは市場予想の2.6%増を大きく下回った。

ドイツ銀行の世界FX戦略部門の責任者、アラン・ラスキン氏は「GDP統計の一部は、経済成長率ほど弱くなかった。だが成長率は、連邦準備理事会(FRB)がしばらく(利上げを)待つ可能性を確認させる水準となった」と指摘した。

日銀は28─29日に開いた金融政策決定会合で、上場投資信託(ETF)の買い入れを倍増する追加緩和を決定した。9月の次回会合でこれまでの政策効果を検証し、必要ならば政策のあり方を見直し、その上で追加緩和を辞さない姿勢を示した。

シティグループの外為戦略グローバル責任者、スティーブン・イングランダー氏は、日銀の政策決定について「本当に失望を誘う内容なのか、時間稼ぎをしているのか。市場は答えを探し続けている」と語った。

FRBがタカ派色を示し、日銀も強力な刺激策を打ち出すとして、ドル高が続くと予想していた一部投資家が逆取引を行い、ドル安の勢いが強まった公算が大きい。

米国経済の底堅さを探る手掛かりとして、8月5日発表予定の7月米雇用統計に注目が集まる。

ロイター
Copyright (C) 2016 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ケニア中部で洪水と地滑り発生、少なくとも45人死亡

ワールド

米政府、乳牛が鳥インフル感染の州で小売店の牛ひき肉

ビジネス

鉱工業生産速報3月は前月比3.8%増、自動車回復で

ビジネス

失業率3月は2.6%で横ばい、有効求人倍率1.28
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる4択クイズ

  • 4

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 5

    メーガン妃の「限定いちごジャム」を贈られた「問題…

  • 6

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 7

    「瞬時に痛みが走った...」ヨガ中に猛毒ヘビに襲われ…

  • 8

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 9

    19世紀イタリア、全世界を巻き込んだ論争『エドガル…

  • 10

    ナワリヌイ暗殺は「プーチンの命令ではなかった」米…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 4

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 5

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 6

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 7

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 8

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 9

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 10

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 4

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 7

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 8

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    「誰かが嘘をついている」――米メディアは大谷翔平の…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中