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仙台G7、財政協調には踏み込まず 金融・構造政策も活用

2016年05月20日(金)23時22分

 5月20日、G7財務相・中央銀行総裁会議は協調した財政出動には踏み込まなかった。写真は麻生太郎財務相(左)とルー米財務長官(右)、2013年10月撮影。(2016年 ロイター/Gary Cameron)

[仙台市 20日 ロイター] - 仙台市で開かれている主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議は20日、最重要テーマである世界経済について議論を行った。会合では世界経済の成長確保に向け、各国が金融・財政・構造政策を活用して自国経済の活性化を図ることを再確認したが、主要国による協調した財政出動には踏み込まなかった。

財務省同行筋によると、世界経済の成長確保に向けた主要国の政策協調に関しては、先の20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行像際会議で合意された「金融、財政、構造政策のすべての政策手段を、個別または総合的に用いる」ことを前提に議論が展開された。

日本からは麻生太郎財務相が、過去最大となった2016年度本予算やその前倒し執行など機動的な財政運営を説明した。

もっとも、財政出動による景気刺激策の是非については各国の実情や考え方に違いがあり、会議では「財政の一斉出動という議論はなかった」という。

麻生財務相も「各国によって財政出動ができる国、できない国、いろいろな事情がある。私どもとしては、強制的には言えない」と語った。

世界経済を最重要テーマに掲げる来週の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)に向け、金融・財政・構造改革を活用することで主要国がどのように世界経済をけん引していく姿を示せるのか、議長国である日本が議論をどのようにリードしていくかが注目される。

(伊藤純夫、梅川崇 編集:田中志保)

ロイター
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