ニュース速報

ビジネス

軽減税率で税収減1兆円、恒久財源確保へ 国税は8000億円減

2015年12月16日(水)20時56分

 12月16日、消費税率10%時の軽減税率導入で減少する国と地方の税収は、国税8000億円、地方税2000億円の計1兆円程度となる見通し。都内で8日撮影(2015年 ロイター/Thomas Peter)

[東京 16日 ロイター] - 消費税率10%時の軽減税率導入で減少する国と地方の税収は、国税8000億円、地方税2000億円の計1兆円程度となる見通しだ。酒類、外食を除く飲食料品に対象範囲を広げ、定期購読契約が締結された週2回以上発行の新聞も対象に加えたためで、今後、いかに安定的な恒久財源を確保できるかが焦点となる。

自民、公明両党は16日、法人実効税率の20%台への早期引き下げや消費増税時の痛税感を和らげるための自動車新税創設を柱とする2016年度の与党税制改正大綱を決めた。

今回の改正で、初年度は、国税が300億円の減収、地方税は100億円の増収となる。平年度ベースではそれぞれ200億円の減収となる見込みだ。

法人実効税率は16年度に29.97%、18年度からは29.74%となる。国税にあたる表面税率を16年度に23.4%(現在は23.9%)にすると2400億円、18年度に23.2%まで引き下げると3300億円の減収となる。

一方、生産性の高い設備への投資を促す軽減措置の廃止や縮小を柱とする課税ベースの見直しで、法人税改革に伴う税収増減は「ゼロ」となる見通しだ。

自動車取得税を廃止する代わりに導入する燃費新税では、自動車取得税1100億円の減収となる一方、新税創設で900億円の増収を見込み、差し引き200億円程度の実質減税となる。

17年4月の軽減税率導入に伴う国、地方の減収額は1兆円となる見込みだ。与党は16年度末までに歳入、歳出の両面で法制上の措置を講じ、安定的な恒久財源を確保する構えだが、追加財源のメドは立っていない。

ロイター
Copyright (C) 2015 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イスラエル軍戦車部隊、ラファ西部と中心部で攻撃

ビジネス

S&P、インド格付け見通し「ポジティブ」に 財政再

ビジネス

中国、固体電池研究に8.3億ドル超投資 6社が支援

ビジネス

訂正-バーゼル3、米次第でEUは一部実施遅らせるべ
MAGAZINE
特集:イラン大統領墜落死の衝撃
特集:イラン大統領墜落死の衝撃
2024年6月 4日号(5/28発売)

強硬派・ライシ大統領の突然の死はイスラム神権政治と中東の戦争をこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    中国海軍「ドローン専用空母」が革命的すぎる...ゲームチェンジャーに?

  • 2

    メキシコに巨大な「緑の渦」が出現、その正体は?

  • 3

    自爆ドローンが、ロシア兵に「突撃」する瞬間映像をウクライナが公開...シャベルで応戦するも避けきれず

  • 4

    ハイマースに次ぐウクライナ軍の強い味方、長射程で…

  • 5

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 6

    プーチンの天然ガス戦略が裏目で売り先が枯渇! 欧…

  • 7

    汎用AIが特化型モデルを不要に=サム・アルトマン氏…

  • 8

    ロシアの「亀戦車」、次々と地雷を踏んで「連続爆発…

  • 9

    「なぜ彼と結婚したか分かるでしょ?」...メーガン妃…

  • 10

    「天国に一番近い島」で起きた暴動、フランスがニュ…

  • 1

    ロシアの「亀戦車」、次々と地雷を踏んで「連続爆発」で吹き飛ばされる...ウクライナが動画を公開

  • 2

    自爆ドローンが、ロシア兵に「突撃」する瞬間映像をウクライナが公開...シャベルで応戦するも避けきれず

  • 3

    「なぜ彼と結婚したか分かるでしょ?」...メーガン妃がのろけた「結婚の決め手」とは

  • 4

    ウクライナ悲願のF16がロシアの最新鋭機Su57と対決す…

  • 5

    中国海軍「ドローン専用空母」が革命的すぎる...ゲー…

  • 6

    黒海沿岸、ロシアの大規模製油所から「火柱と黒煙」.…

  • 7

    戦うウクライナという盾がなくなれば第三次大戦は目…

  • 8

    能登群発地震、発生トリガーは大雪? 米MITが解析結…

  • 9

    「天国にいちばん近い島」の暗黒史──なぜニューカレ…

  • 10

    少子化が深刻化しているのは、もしかしてこれも理由?

  • 1

    半裸でハマスに連れ去られた女性は骸骨で発見された──イスラエル人人質

  • 2

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 3

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 4

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 5

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 6

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 7

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 8

    ロシアの「亀戦車」、次々と地雷を踏んで「連続爆発…

  • 9

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋…

  • 10

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中