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英中銀副総裁、カウンターシクリカル資本バッファー強化の必要性示唆
[ロンドン 14日 ロイター] - イングランド銀行(英中央銀行)のカンリフ副総裁は14日、金利が長期にわたって低水準にとどまる場合、将来的な景気低迷に対抗するためにカウンターシクリカル資本バッファー(CCyB、好況時に積み上げ不況時に取り崩せる資本の割合)を一段と強化する必要があるかもしれないとの見方を示した。
副総裁はロンドンでの講演で「バッファーの解放は、銀行に対する融資削減圧力を低下させ、マクロ経済のショックを増幅させる信用収縮を回避することにより景気後退に強力な効果をもたらすことができる」と指摘。「深刻な景気後退リスクが大きいことを考慮すると、論点はおそらく、バッファーを低水準ながら長期的により強化する必要があるのかだ」と述べた。
また英中銀がマクロプルデンシャル措置の導入を検討していることを示唆。「マクロプルデンシャル措置は完全ではない。ほとんどの地域では銀行や保険セクターで発生するリスクを特定したり、軽減したりする措置を備える方が市場ベースでの資金調達(資産運用会社など銀行システムの枠外からの資金調達)よりもはるかに良い」と指摘。「個人的な見解ではこのギャップを対処する必要がある」と語った。
さらに「構造的な低金利環境に金融政策の、また財政政策の枠組みをどのように適用すべきかは、関連しているもののそれぞれ個別の問題であり、学術研究からの、そして最近では一部地域の政策当局者からの高い関心を受けている」と言及。「議論は比較的初期の段階にあり、個人的な見解では、熟慮が必要な問題だ」とした。
市場では合意なき英国の欧州連合(EU)離脱に備え英中銀が利下げを余儀なくされるとの見方が広がっているが、副総裁はこの見解を一蹴。「われわれが行うことは人々の考えが常に反映されるとは限らない」と述べた。
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