ニュース速報

豪失業率、5月は5.2%で横ばい 7月利下げ観測高まる

2019年06月13日(木)13時10分

[シドニー 13日 ロイター] - オーストラリア連邦統計局が発表した5月の雇用統計は、失業率が5.2%で横ばいとなった。

パートタイムの就業者が急増。労働参加率も上昇しており、生産能力が余剰になっていることが示された。市場では来月にも追加利下げが実施されるとの見方が強まっている。

3年債利回りは過去最低の0.997%まで低下。先物市場<0#YIB:>では7月の25ベーシスポイント(bp)利下げの確率が52%から70%に上昇した。

豪ドルは1豪ドル=0.6914米ドルと、0.2%の下落にとどまっている。金融緩和が以前から織り込まれていたことが背景。

政策当局は、賃金と物価を再び動かすには失業率が4.5%以下に低下する必要があるとの認識を示している。

BISオックスフォード・エコノミクスのチーフエコノミスト、サラ・ハンター氏は「完全雇用の実現には一段の雇用創出が必要との豪中銀の見解が、今回の統計で裏付けられた。そのためには政策の緩和が必要になる」と指摘。

「豪中銀が6月の利下げに加え、年内にさらに2回の利下げを実施すると予想している。政策金利は年末には0.75%になっている」と述べた。

失業率を4.5%に引き下げるのは難題とみられる。5月の失業率は5.1%と予想されていた。失業率は2月に4.9%まで低下したが、その後はじりじりと上昇している。

5月の就業者数は前月比4万2300人増と、予想の1万7500人増を大きく上回ったが、それでも失業率は高止まりした。

就業者数の増加分のうち、3万9800人はパートタイム。アナリストは、5月の総選挙に絡む一時雇用が影響した側面があるとみている。

5月までの1年間の就業者数は36万人増と、大幅な増加を記録。年間の就業者の伸びは2.9%で、米国の1.6%を大幅に上回る。

ただ、専門知識のある移民の流入で、労働力は急激に拡大している。年間の人口増加率は1.6%で、先進国では有数の高さとなっている。

労働参加率も5月は66.0%と記録的な高水準。特にヘルスケア部門で女性の労働参加が増えた。

中銀のエリス総裁補は最近の講演で、労働市場の余剰生産能力は以前考えられていたよりも、はるかに多いと指摘している。

ロイター
Copyright (C) 2019 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

中国、日本渡航に再警告 「侮辱や暴行で複数の負傷報

ワールド

米ロ高官のウ和平案協議の内容漏えいか、ロシア「交渉

ビジネス

米新規失業保険申請、6000件減の21.6万件 低

ワールド

サルコジ元大統領の有罪確定、仏最高裁 選挙資金違法
MAGAZINE
特集:ガザの叫びを聞け
特集:ガザの叫びを聞け
2025年12月 2日号(11/26発売)

「天井なき監獄」を生きるパレスチナ自治区ガザの若者たちが世界に向けて発信した10年の記録

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファール勢ぞろい ウクライナ空軍は戦闘機の「見本市」状態
  • 2
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 3
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 4
    7歳の娘の「スマホの検索履歴」で見つかった「衝撃の…
  • 5
    ミッキーマウスの著作権は切れている...それでも企業…
  • 6
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ…
  • 7
    これをすれば「安定した子供」に育つ?...児童心理学…
  • 8
    老後資金は「ためる」より「使う」へ──50代からの後…
  • 9
    「世界の砂浜の半分」が今世紀末までに消える...ビー…
  • 10
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 1
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判殺到、そもそも「実写化が早すぎる」との声も
  • 2
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
  • 5
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 6
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 7
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナ…
  • 8
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ…
  • 9
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 10
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベー…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中