ニュース速報

米鉱工業生産、3月は製造業で横ばい 自動車が落ち込む

2019年04月17日(水)02時43分

[ワシントン 16日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)が16日発表した3月の鉱工業生産指数は製造業部門が前月から横ばいだった。これまで2カ月連続で落ち込んでいた。市場予想は0.1%上昇だった。

四半期ベースでは年率で1.1%低下し、2017年第3・四半期以来初めて落ち込んだ。前期は1.7%上昇していた。

MUFGのエコノミストは「製造業生産が第1・四半期、下向きに動いた。このことは、トランプ政権の経済チーム発足以来初めて、製造業や生産再生の勢いが失われつつある状況を示す。貿易戦争と米国第一主義政策で、製造業拠点がまだ国内に戻ってきていない」と話した。

JPモルガンのエコノミストは「製造業はこのところの最低迷期を脱しつつある可能性がある。ただこうした改善を裏付ける材料はそれほどはっきりしていない」と指摘した。

3月は自動車と木材製品の落ち込みが全体水準を抑制した。

2月の数字は当初発表の0.4%低下から0.3%低下へ改定された。

全体の鉱工業生産指数は0.1%低下した。前月は0.1%上昇していた。第1・四半期は0.3%低下。前期は4.0%上昇していた。

3月の内訳は、製造業生産指数のうち自動車・同部品が2.5%低下。前月は2.3%上昇していた。自動車部門は過剰な在庫が重しになっている。3月の雇用統計では製造業部門の就業者数が17年7月以来初めて減少した。製造業生産指数は自動車・同部品を除くと0.2%上昇した。前月は0.5%低下していた。3月は一次金属とコンピューター・電子機器が押し上げ要因となった。

今後は、航空機大手ボーイングの737型機減産方針などが、製造業をさらに圧迫する可能性がある。

ウェルズ・ファーゴ証券のエコノミストは「737MAX型機の納機中止や製造削減が、短期の製造業・受注指標の重しとなり、第2・四半期の国内総生産(GDP)成長率を最大で0.2%ポイント押し下げる可能性もある」と見通した。

鉱工業生産指数のうち鉱業部門は0.8%低下した。前月は横ばいだった。

電力・ガス部門は0.2%上昇した。前月は3.7%上昇していた。

企業がどれだけ十分に設備を稼動しているかを示す設備稼働率は製造業部門が76.4%と、1年ぶりの低水準だった。前月は76.5%だった。全体の設備稼働率は78.8%と前月の79.0%から低下した。1972年から2017年の平均を1.0%ポイント下回っている。FRBは、経済に内在する需給の緩みを見るために設備稼働率に注目している。

ロイター
Copyright (C) 2019 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

インドの鉄鋼輸出、EUの炭素税が打撃に、米関税の影

ワールド

香港長官が政策演説、経済と生活の向上に注力 金取引

ビジネス

日経平均は5日ぶり反落、米FOMC前の調整で 一時

ワールド

マクロスコープ:自民総裁選、問われる野党戦略 小泉
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェイン・ジョンソンの、あまりの「激やせぶり」にネット騒然
  • 2
    「日本を見習え!」米セブンイレブンが刷新を発表、日本では定番商品「天国のようなアレ」を販売へ
  • 3
    中国は「アメリカなしでも繁栄できる」と豪語するが...最新経済統計が示す、中国の「虚勢」の実態
  • 4
    ケージを掃除中の飼い主にジャーマンシェパードがま…
  • 5
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 6
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 7
    腹斜筋が「発火する」自重トレーニングとは?...硬く…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「リラックスできる都市」が発…
  • 9
    「なにこれ...」数カ月ぶりに帰宅した女性、本棚に出…
  • 10
    「この歩き方はおかしい?」幼い娘の様子に違和感...…
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 4
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 5
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 6
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 7
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 8
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 9
    埼玉県川口市で取材した『おどろきの「クルド人問題…
  • 10
    観光客によるヒグマへの餌付けで凶暴化...74歳女性が…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 6
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 7
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 8
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 9
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 10
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中