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カザフスタン大統領が退任、旧ソ連時代から30年君臨 来年選挙へ

2019年03月20日(水)02時10分

[アルマトイ(カザフスタン) 19日 ロイター] - カザフスタンのナザルバエフ大統領(78)が19日、20日付で退任すると発表した。ナザルバエフ氏は旧ソ連時代の1989年から30年間にわたり権力の座に君臨。長期的な後継者不在の中での突然の退任となったが、事前に計画された政権移行との見方も出ている。

ナザルバエフ氏はテレビ演説で「困難な決断だったが、退任することを決めた」とし、「独立したカザフスタンの創始者として、現在の自分自身の責務はカザフスタンの改革を継続する新しい世代の指導者の台頭を円滑に進めることと認識している」と述べた。

ナザルバエフ氏にとり最後の大統領選挙となった2015年の選挙では得票率97.7%で当選。任期は20年4月までだった。ナザルバエフ氏の退任後は憲法に則り、任期終了までカシムジョマルト・トカエフ上院議長が暫定大統領を務める。その後、来年に大統領選挙と議会選挙を実施する。

暫定大統領に就任するトカエフ氏は65歳。ロシアで教育を受けた元外交官で、カザフ語、ロシア語、英語、中国語に精通し、これまでにカザフスタンの外相と首相を務めた。

ナザルバエフ氏はロシアのプーチン大統領と関係が深く、ロシア大統領府はプーチン氏がナザルバエフ氏とこの日、電話会談を行ったと発表したが、会談の内容については明らかにしなかった。ロシア通信(RIA)は、ワレンチナ・マトヴィエンコ上院議長が、ナザルバエフ氏の退任は予想外で、極めて深刻と述べた報じている。

ナザルバエフ氏の退任発表を受け、ロシアルーブルがやや下落するなどの動きが出た。

ロイター
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