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韓国大統領、米朝合意の実現に協力表明 首脳会談決裂受け
[ソウル 1日 ロイター] - 韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は1日、米朝首脳会談が物別れに終わったことについて、北朝鮮の非核化を巡り両国が今後合意できるよう韓国としても協力していきたいと表明した。
トランプ米大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は2月28日までの2日間、ベトナムの首都ハノイで会談したが、北朝鮮への制裁問題などで折り合わず、合意に至らなかった。2日目の会談は予定より早く切り上げられた。
文大統領は朝鮮半島の緊張緩和に向け、金委員長と昨年だけで3回首脳会談を実施し、米朝間の交渉を促進するなどして取り組みを進めてきた。
文大統領は「米朝合意を何としてでも実現させるべく、米朝両国と緊密に意思疎通を図り、協力していく」と強調した。
トランプ大統領は米朝首脳会談後の記者会見で、関係構築や非核化で進展はあったが、拙速に悪い合意を結ばないことが重要と考えたと語った。「北朝鮮は全面的な制裁解除を要求したが、われわれはそれはできなかった」と説明した。
またトランプ大統領は1日、ツイッターで、金委員長との交渉は「非常に実質的」だったとし「われわれは、かれらが何を求めているか分かっているし、かれらはわれわれが確保しなければならないことが何か分かっている」と述べた。次の措置について詳細は明らかにせず「関係は非常に良好。何が起こるか、みることにしよう!」と投稿した。
<説明の食い違いも>
一方、北朝鮮の李容浩(リ・ヨンホ)外相は、ハノイで記者会見を開き、北朝鮮が求めたのは制裁の一部解除で、全面解除は要求しなかったと説明しており、トランプ大統領の説明との食い違いも見られた。外相はまた、制裁解除を求めたのは国民生活に関連するもので、軍関連のものではなかったとした。
外相によると、北朝鮮は寧辺の核施設について、双方の専門家の監視下で廃棄するという現実的な提案を行ったという。「これは二国間の現在の信頼レベルの下でわれわれに可能な非核化への最大のステップだ」と語った。
会見に同席した崔善姫(チェ・ソンヒ)外務次官は、米国が寧辺の核施設廃棄の見返りとして制裁一部解除を拒否したことから、金委員長が「合意模索への意欲を失う可能性がある」と指摘した。
ただ、双方は協議継続への意欲もにじませた。
北朝鮮国営の朝鮮中央通信(KCNA)は、両首脳が建設的で誠意ある協議を実施し、生産的な話し合いを続けることで一致したと伝えた。会談決裂には言及していない。
KCNAによると、金委員長はトランプ氏が会談で成果を出すために長距離を移動し、積極的に努力したことに謝意を表したという。金委員長は2日にベトナムを出発する予定。
<対話継続への意欲>
米国務省の高官は、北朝鮮メディアによる報道は「非常に建設的」だと評した。「お互いに対話の機会はまだ十分にあることを示している」と続けた。
同高官によると、北朝鮮は、大量破壊兵器を直接対象としたものを除くすべての国連制裁の解除条件として、寧辺の核施設の一部閉鎖を提案したという。
国連と米国は、北朝鮮が2017年に核・ミサイル実験を繰り返し実施したことを受けて、北朝鮮の資金源を断つため、対北制裁を強化した。
高官は「われわれが直面した問題は、現時点で北朝鮮が大量破壊兵器プログラムの完全な凍結に前向きではなかったことだ。制裁解除で多額の資金を与えることは、実質的に大量破壊兵器の開発を手助けすることになる」と述べた。
トランプ大統領は、金委員長が核・ミサイル実験停止を続けると約束したと述べたが、会談決裂によって北朝鮮は核能力を引き続き保有することになる。
トランプ大統領は米朝首脳会談後、米国に向かう機中で安倍晋三首相、文大統領と電話会談し、日韓と連携を続けると同時に北朝鮮との対話を継続していくことを伝えた。