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情報BOX:中国で苦戦する日本企業、10─12月決算で明らかに
[東京 5日 ロイター] - 佳境に入ってきた2018年10─12月期決算発表では、中国で苦戦する日本企業の姿が浮かび上がっている。米中貿易摩擦の影響もあり、昨年末にかけて電子部品などの需要が急減。業績予想を下方修正する外需企業が増えている。今年に入り、需要が回復しつつあるとの声も出ているが、予断を許さない。
●日本電産、永守会長「一部で注文復活」(1月23日)
日本電産<6594.T>の10─12月期連結営業利益は前年比29.8%減。米中貿易摩擦の影響で、中国市場での需要が急減した。会見した永守重信会長は「12月が一番ひどい状況だったが、(通期業績予想の下方修正発表後の)この1週間で注文が復活し出したところも家電関係である」と説明。「大げさに言うほどの変化はないが、そういう話がぽろぽろ入り出した」と語った。
●キヤノン、19年12月期は減益予想 円高想定で(1月30日) キヤノン<7751.T>の19年12月期は減収減益見通し。想定為替レートを1ドル105円と円高に設定したことが響くが、会見した田中稔三副社長は「米中貿易摩擦のさらなる激化や中国・新興国での景気減速懸念、ブレグジットに代表される欧州政治の混迷など、多くのリスク要因により、不透明感がますます高まっている」と慎重。
●ファナック、通期予想を下方修正 米中摩擦響く(1月31日) ファナック<6954.T>は19年3月期の業績見通しを2回目の下方修正。「IT関係の一時的需要が見込めない状況が続くことに加え、国家間の貿易摩擦の影響の広がりや為替動向などの様々な不透明な要因から、総じて予断を許さない状況が続く」とした。1月から3月までの想定為替レートは、1ドル=100円。
●TOTO、下方修正 中国不動産市況の悪化などで(1月31日)
TOTO<5332.T>は19年3月期の連結営業利益予想を下方修正。グローバル住設事業で、日本の消費増税の駆け込みが想定を下回ったほか、中国においては不動産市況の悪化と新商品立上げ遅れの影響を受けた。新領域事業もセラミック事業の生産性悪化が響いた。
●オークマ、4─12月営業益は29%増(1月31日)
オークマ<6103.T>の18年4─12月期連結営業利益は前年比29.1%増。19年3月期の業績予想は維持した。米国市場では、米中貿易摩擦を懸念して設備投資を抑制する動きが一部で予想されるが、好調な経済を背景に工作機械の需要は堅調に推移すると見込む。中国市場では、同国政府による金融・財政政策により工作機械の需要回復が進むと予想している。
●三井物産、下方修正 世界経済に停滞感(2月1日)
三井物産<8031.T>は19年3月期連結業績予想を下方修正し、当期利益を4500億円から4400億円に引き下げた。世界経済は全体に停滞感が強まり、特に米中貿易摩擦の影響などにより景気下振れリスクが高まっており、今後の情勢に注意が必要だとしている。
●三菱電機、下方修正 中国減速で(2月4日) 三菱電機<6503.T>は19年3月期の連結業績予想を下方修正した。産業メカトロニクス部門や電子デバイス部門で中国向け需要が減少。会見した皮籠石斉常務は「中国市場で設備投資を見合わせる動きが出ている。第3・四半期の後半にかけて受注が落ちてきた状況を反映した」と説明。「今しばらくはこの傾向が続くのではないか」と厳しい見方を示した。
●パナソニック、下方修正 エアコン苦戦(2月4日) パナソニック<6752.T>は19年3月期連結営業利益予想を4250億円から3850億円に下方修正。中国・インドにおけるルームエアコンの販売苦戦や、オートモーティブ事業で欧州関連の減損などを反映させた。修正後の営業利益予想はリフィニティブがまとめたアナリスト18人の予測平均値4202億円を8.3%下回っている。
●花王、中国向けベビー用紙おむつの戦略見直し(2月4日)
花王<4452.T>は19年12月期連結営業利益は前年比8.3%増の2250億円を見込む。中国向けが苦戦したベビー用紙おむつの戦略を見直すなどして、7期連続の過去最高益を目指す。年間配当予想は1株当たり130円とし、18年12月期予想の120円から10円増額する見通し。
(杉山健太郎 編集:田巻一彦)