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豪中銀、政策金利を据え置き 明確なハト派シフト示さず
[シドニー 5日 ロイター] - オーストラリア準備銀行(RBA、中央銀行)は5日、政策金利のオフィシャルキャッシュレートを1.50%に据え置くことを決定した。据え置きは市場の予想通り。
ロイター調査では、エコノミスト40人中39人が据え置きを予想していた。
中銀は、中立的なスタンスを維持したが、国内外の景気に下振れリスクがあることを認めた。
経済成長率とインフレ率の予測は下方修正。利上げ時期が遠い将来になることを示唆した。
市場では、中銀の声明文が予想ほどハト派的ではなかったとの見方を背景に、豪ドル
ロウ総裁は声明で「(国内経済は)世界の状況と同様に、下振れリスクが幾分拡大した」と指摘。「家計支出の見通しや一部の都市における住宅価格下落の影響が、引き続き国内の主な不透明要因となっている」との認識を示した。
ただ、米連邦準備理事会(FRB)とは異なり、明確なハト派姿勢は示さなかった。
豪中銀は一段の金融緩和に消極的で、次の金利変更は利上げになるとの見通しを繰り返し示している。
今回の声明では、今後の金利変更が利上げ・利下げのどちらになるかには言及しなかったが、6日に予定されているロウ総裁の講演や中銀が8日発表する四半期報告が手掛かりになるとみられる。
今回の声明では、豪経済は今年約3%成長する公算が大きいと指摘。前回の「3%を若干上回る」から小幅に下方修正した。
物価については「上昇は緩やかになり、これまでの想定よりもやや長い時間がかかる可能性が高い」と分析。失業率については「今後数年間で4.75%にさらに低下することが見込まれる」との予想を維持した。
ロウ総裁は「労働市場は力強さを増しており、賃金の伸びが幾分上向いている。これは歓迎すべき動向だ」と楽観的な見方を維持。「労働市場の改善によって賃金の伸びはいずれ、さらに幾分押し上げられるはずだが、これは依然として緩やかなプロセスとなる見通しだ」との見方を示した。
ウエストパックの為替ストラテジスト、ショーン・キャロウ氏は「(中銀は)雇用市場の引き締まりを踏まえると、金利据え置きが正当化できるとまだ自信を持っているようだ。疑心暗鬼には陥っていない」と述べた。
*内容を追加しました。