ニュース速報

NY市場サマリー(18日)

2019年01月19日(土)07時48分

[18日 ロイター] - <為替> 米中通商問題の解決に向けた期待感からドルが主要通貨に対して底堅く推移した。

米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は17日、関係者の話として、ムニューシン米財務長官が中国の輸入品に課されている関税の一部または全部を撤廃することを提案したと報じたほか[nL3N1ZH503]、ブルームバーグはこの日、関係筋の話として、中国が貿易不均衡の是正に向け米国からの輸入を6年間にわたって拡大する提案を行ったと報じた。[nL3N1ZI3ZB]

米財務省報道官は前日の報道内容は否定したものの、市場心理が好転したことで主要6通貨に対するドル指数は上昇。この日のブルームバーグの報道を受けドル指数は0.3%上昇し、96.352となった。

この日発表の米経済指標で、昨年12月の鉱工業生産統計が予想より好調だったこともドルの押し上げ要因となった。[nL3N1ZI3SE]

ドル指数は週間では0.68%の上昇となる見通し。週間としては昨年12月半ば以来初めての上昇となる。

ドルはユーロに対し0.26%高の1.137ドルと、1月4日以来の高値を更新。英ポンドはオーバーナイトの取引で上昇していたが、対ユーロ、および対ドルで下落した。

<債券> 国債利回りが3週ぶりの高水準となった。米中貿易交渉の進展期待や予想を上回る米鉱工業生産指数などを背景に米国株に資金がシフトした。

債券利回りは2週にわたって上昇。10年債利回りは1月4日に付けた約1年ぶりの低水準から上昇基調を強めている。

ムニューシン米財務長官が中国の輸入品に課されている関税の一部または全部を撤廃することを提案したとの報道が通商関係の見通し改善につながっている。[nL3N1ZH503]

指標10年債利回りは3週ぶりの高水準まで上昇。足元では前日終値を3.4ベーシスポイント(bp)上回る2.781%で推移している。

リフィニティブのデータによると今週は約8bp上昇し、週間の上昇幅は11月2日以降で最大となった。

週明け21日の米金融市場はキング牧師生誕記念で休場となる。

<株式> 続伸。米中貿易問題が解決に向かうとの期待から、幅広いセクターで買いが優勢となった。

中国が貿易不均衡の是正に向け、米国からモノの年間輸入規模を1兆ドル強拡大し、貿易黒字を2024年までにゼロにすることを目指しているとのブルームバーグの報道が相場への追い風となった。[nL3N1ZI3ZB]

貿易動向に敏感な工業株は1.9%高、フィラデルフィア半導体株も2.3%高で終了した

情報技術株も1.5%上昇した。

個別銘柄では石油サービス大手シュルンベルジュが8.1%高。市場予想を上回る四半期売上高が買い材料となた。

動画配信サービス大手ネットフリックスは4%安。第1・四半期売上高見通しが予想を若干下回ったことが失望感を誘った。

週足ではダウ工業株30種は2.96%高、ナスダック総合は2.66%高、S&P総合500は2.87%高と、そろって4週連続の上昇。4週間の上昇率としては2011年10月以来の高さとなる。

また、S&Pは月間で2016年3月以来の好成績となる勢い。

<金先物> 米中通商摩擦の緩和期待を背景とした投資家のリスク選好姿勢に押され、続落した。中心限月2月物の清算値は前日比9.70ドル(0.75%)安の1オンス=1282.60ドル。週間では0.54%安となり、5週ぶりにマイナスに転じた。

米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)は前日午後、トランプ政権が中国からの輸入品に課した制裁関税の撤廃や引き下げを検討していると伝えた。その後、記事の内容は財務省の報道官によって否定されたものの、市場では今月末に開催される米中間の閣僚協議で一層の歩み寄りが可能かもしれないとの期待が拡大。世界経済をめぐる不透明感が弱まったとの見方から海外ではリスク資産の株買いが優勢となり、安全資産とされる金塊は未明ごろから下げ足を速めた。

また、朝方には外国為替市場で堅調な米経済指標を背景にドル買い・ユーロ売りが急速に進行。このため、ドル建てで取引される金塊には割高感も浮上し、一時1280.60ドルの安値を付けた。ただ、その後は米祝祭日に伴う3連休を前に持ち高調整の商いが中心となり、値幅は極端に狭まった。

<米原油先物> 供給過剰懸念が和らぐ中、大幅反発した。米国産標準油種WTIの中心限月2月物の清算値は前日比1.73ドル(3.32%)高の1バレル=53.80ドル。3月物は1.68ドル高の54.04ドルだった。

石油輸出国機構(OPEC)が17日発表した月報によると、2018年12月のOPEC加盟国の産油量は前月比で日量75万1000バレル減の3158万バレルとなった。過去約2年で最大の減少幅を記録したことで供給過剰懸念が和らぐ一方、OPEC主導で今月から実施されている協調減産効果への期待も広がった。

また、この日は米ブルームバーグ通信が、先週の次官級協議で中国政府が対米黒字を2024年までに解消する案を提示したと報道。これを受けて、両国による貿易摩擦緩和に向けた協議が進展するのではないかとの期待が広がり、世界景気に対する過度の不安が後退したことも原油相場の押し上げにつながった。このほか、米石油サービス会社ベーカー・ ヒューズがこの日午後に公表した統計で、同日までの1週間の国内石油掘削リグ稼働数が前週比21基減の852基となったことも支援材料。

ただ、国際エネルギー機関(IEA)がこの日、米国の石油生産拡大や世界的な景気鈍化の影響で原油価格は下押し圧力にさらされるとの見解を示したことから、上値は幾分抑えられたもようだ。

(※関連情報やアプリは画面右側にある「関連コンテンツ」メニューからご覧ください)

ロイター
Copyright (C) 2019 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

アングル:最高値のビットコイン、環境負荷論争も白熱

ビジネス

決算に厳しい目、FOMCは無風か=今週の米株式市場

ビジネス

中国工業部門企業利益、1─3月は4.3%増に鈍化 

ビジネス

米地銀リパブリック・ファーストが公的管理下に、同業
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ」「ゲーム」「へのへのもへじ」

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 5

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 6

    走行中なのに運転手を殴打、バスは建物に衝突...衝撃…

  • 7

    19世紀イタリア、全世界を巻き込んだ論争『エドガル…

  • 8

    ロシア黒海艦隊「最古の艦艇」がウクライナ軍による…

  • 9

    ロシア軍「Mi8ヘリコプター」にウクライナ軍HIMARSが…

  • 10

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 6

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 7

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 8

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 9

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 10

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 3

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈する動画...「吹き飛ばされた」と遺族(ロシア報道)

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 6

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミ…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中