コラム

COP15を揺さぶる「捏造」疑惑

2009年12月08日(火)15時31分

 サウジアラビアは、ウォーターゲートならぬ「クライメートゲート」(地球温暖化のデータを科学者が操作したとの疑惑)を非常に懸念しているようだ。


 192カ国から1万5000人が参加するCOP15が開幕した。海面と気温の破滅的な上昇を防ぐ「最後で最高のチャンス」と言われる会議だ。その初日にサウジアラビアの交渉責任者モハメド・アル・サバンが会場から発言し、英研究機関からハッキングされた電子メールが科学者の研究に対する信頼を揺るがしていると述べた。

「最近の情報によると、この科学スキャンダルは非常に深刻化している。交渉において何が信頼できるのか、その本質に影響を与えることは間違いないとわれわれはみている」


 気候変動に関する政府間パネル(IPCC)のラジェンドラ・パチャウリ議長は、開会式でクライメートゲートに言及し、IPCCによる研究結果を擁護した。パチャウリにはほかに取るべき選択肢が少なかったのだろうが、開会式でそんな発言をしたのは戦術ミスではないか。

 この会議が気候変動への対応を議論する場ではなく、気候変動が起きているかどうかを議論する場に変質することを国連が許せば、既に戦争に半分負けたも同然だろう。

──ジョシュア・キーティング
[米国東部時間2009年12月07日(金)13時38分更新]

Reprinted with permission from FP Passport, 9/12/2009. ©2009 by Washingtonpost.Newsweek Interactive, LLC.

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国際政治学者サミュエル・ハンチントンらによって1970年に創刊された『フォーリン・ポリシー』は、国際政治、経済、思想を扱うアメリカの外交専門誌。発行元は、ワシントン・ポスト・ニューズウィーク・インタラクティブ傘下のスレート・グループ。『PASSPORT:外交エディター24時』は、ワシントンの編集部が手がける同誌オンライン版のオリジナル・ブログ。

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