コラム

「医師の宇宙飛行士」古川聡さん、27年勤務のJAXAを卒業...次のステージも「らしい」場所 7つのキーワードで知る、その功績と人柄

2026年04月03日(金)10時30分

他に宇宙飛行士たちの間でブームになっていた遊びはなかったかと尋ねたところ、「自分たちの一つ前のISSクルーから受け継がれたものに、2メートル四方くらいのスペースの中でどこにもぶつからずに何回転回れるか競う、というのがありました。スピードをつけて一気に速く回る人と、ゆっくり安定して回る人に戦略が分かれました」と教えてくれました。

古川さんはこの遊びで勝てたのでしょうか?

「私は『ゆっくり戦略』を採ったのですが、3~4回しか回れませんでした。同じ戦略のクルーで10回も回る人がいたのですが、練習が足りなくて上達できませんでした」


◇ ◇ ◇

実年齢は還暦を少し過ぎた古川さんですが、心持ちは「永遠の29歳」と宣言しています。

「今は理想としているのは20代。ちょっと体はきついかもしれませんけど、頑張って29歳ぐらいを目指したいし、気持ちとしては20代でいたいなと。同年代の方にメッセージを出す立場ではないですけれど、気持ちも体も若いつもりでいると、もしかしたらいい効果があるかもしれない。そういった気持ちで、新しいことに興味を持ったり、挑戦したり、一緒にしていきたいなと考えております」

先が見えなくて、大変な時もあったと語る古川さんは「自分でコントロールできないことは、悩んでも仕方ない。自分がコントロールできることを一日一日積み重ねていけば、明日はきっと今日よりも良くなる。そう思って進めてまいりました」と金言を残して新天地に飛び立ちました。

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筆者撮影

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プロフィール

茜 灯里

作家・科学ジャーナリスト。青山学院大学客員准教授。博士(理学)・獣医師。東京大学理学部地球惑星物理学科、同農学部獣医学専修卒業、東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻博士課程修了。朝日新聞記者、大学教員などを経て第24回日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞。小説に『馬疫』(2021 年、光文社)、ノンフィクションに『地球にじいろ図鑑』(2023年、化学同人)、ニューズウィーク日本版ウェブの本連載をまとめた『ビジネス教養としての最新科学トピックス』(2023年、集英社インターナショナル)がある。分担執筆に『ニュートリノ』(2003 年、東京大学出版会)、『科学ジャーナリストの手法』(2007 年、化学同人)、『AIとSF2』(2024年、早川書房)など。

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