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高尾康端|オーストラリア

クイーンズランド州の新州首相

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クイーンズランド州ではアナスタシア・パラシェ氏が2015年から2023年までの長い間、州首相を務めていました。保健やインフラなどの分野で顕著な貢献をし、その指導力と政策で活躍してきました。しかし2023年に辞任しました。本人は辞任の理由を現在のパートナーとより長い時間を過ごすためと説明していますが、支持率が下がり次の選挙では勝てないだろうとも予想されていました。

パラシェ氏は新しい州首相にスティーブン・マイルズ氏を後継者として指名しました。マイルズ氏は、パラシェ氏の辞任後、その後任として、全会一致で無投票当選し、クイーンズランド州の第40代州相に就任しました。彼は現在46歳でブリスベン生まれ、クイーンズランド大学で人文学の学士号と哲学の博士号を取得しました。彼は労働組合関連の組織でアドバイザーや州政府の政策顧問を務めた経験があります。2010年の連邦議会選挙では敗北しましたが、2015年の州議会選挙で初当選し、政界入りしました。パラシェ政権下で環境相、保健相、地方開発相などを歴任し、2020年5月から州副首相を務めていました。キャメロン・ディック州財務相が新しい州副首相に選ばれています。

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マイルズ氏の就任は、クイーンズランド州にとって新しい時代の始まりを象徴しています。彼は、州の経済発展、社会的公正、環境保護など、多くの重要な課題に対処することが期待されています。彼のリーダーシップのもと、クイーンズランド州は新しい方向に進むことになるでしょう。特に、経済復興、教育、健康、インフラの整備発展などが主な焦点となると予想されます。パラシェ氏の支持率低下の理由の一つであった未成年者による犯罪問題をはじめとして度重なるサイクロンに伴洪水被害、住宅問題など課題は山積しています。

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マイルズ氏の政治的背景やこれまでの経歴に基づき、彼がどのような政策を推進するかは、今後の彼の行動を通じて明らかになるでしょう。クイーンズランド州住民の一人として、彼のリーダーシップに期待し、州のためにどのような影響をもたらすか注目していきたいと思います。

スティーブン・マイルズ氏の就任を祝し、クイーンズランド州の新しい章が始まることを楽しみにしています。

 

Profile

著者プロフィール
高尾康端

日本、スイス、シンガポール、アメリカで育ち、2004年からオーストラリアに移住。シドニー大学医学部を卒業。現在は東ブリスベンエリアHawthorne Clinicにて家庭医 (GP)として勤務。家庭医の観点からみる病気についての情報、また母国である日本と移住地オーストラリアの医療システムの違いや、オーストラリアで病気になった時に役立つ情報を発信している。

Twitter:@dryasutakao
Facebook:Dr Yasu Takao
ブログ:https://www.dryasutakao.com.au/blog

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