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ミラノ・コルティナ オリンピックのメダル破損騒動の真相 ── 「栄光が壊れた」は安全設計の裏返し

2026年2月13日(金)22時15分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

「二つの半円」と「SDGs」の結晶

もう一つ、今回のメダルについて語る上では、デザインと製造のコンセプトが盛り込まれている点も忘れてはいけないだろう。公式説明では、メダルは二つの要素が結びつく抽象表現で、「結合」と「動き」を、粒状の質感と鏡面のコントラストで描いているという。さらに、二つの半円が象徴するのは"二都市の開催"だけでなく、選手の歩みと支える人々の存在だと紹介されている。

仕様面では、公式記事に金属や重量の情報も出ている。たとえば銀メダルの金属として「999シルバー」、重量として「500グラム」などが挙げられている。製造はイタリアの国立印刷造幣局IPZSが担い、リサイクル金属や再生可能エネルギーが使われているというサステナブルな対応がある。

現代の五輪メダルは、勝者に渡す金属片であると同時に、開催国の技術と理念を語るメディアになった。だから要求される要素が増える。見た目の美しさ、耐久性、環境配慮、そして安全──すべてを同時に満たそうとするほど、どこかでトレードオフが顔を出す。


「壊れたメダル」を笑い話にしないために

メダルは、金や銀や銅だけでできていない。そこには、表彰式という演出があり、選手の身体があり、環境配慮の物語があり、そして事故を起こさないための安全設計がある。

ミラノ・コルティナのトラブルが突きつけたのは、品質の低下といった単純な話ではなく、祝祭と安全の"境界"だ。安全のために外れるはずが、表彰台では壊れたように見える。そのギャップをどう埋めるかは、次の大会が引き継ぐ宿題になるだろう。



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