変わる「JBIC」...2つの「欧州ファンド」で、日本のスタートアップ支援に乗り出した理由
「投資先の質が評判を呼び、良質な案件・情報がさらに集まる好循環が生まれています。日欧の両面でシナジーを最大化していきたい」と語るJBIC常務取締役の内田 誠
<法改正により、国内スタートアップへの投資が可能になった日本の政策金融機関・国際協力銀行(JBIC)。常務取締役の内田 誠が、その狙いや重点領域、新たな支援策を語った>
※本記事は『JBIC Today』2025年12月号「スタートアップ支援が拓く未来」特集の1記事です。
投資活動の起点となる合弁会社。民間との協働で開く新領域
「前例のない取り組みをゼロから形にしていく。達成感は大きいです」
日本の政策金融機関・国際協力銀行(JBIC)の常務取締役としてエクイティファイナンス部門および資源ファイナンス部門を所管し、スタートアップ投資委員会委員長、さらにJBIC IG Partners(JBIC IG)の取締役も務める内田は、自身が立ち上げ段階から携わってきたスタートアップ投資活動をこう振り返る。

海外インフラや資源開発の他、日本企業の海外展開支援に対し、融資や出資による支援を主軸としてきたJBICであるが、近年ではスタートアップ投資にも積極的な姿勢を見せている。
その始まりとなったのが、2017年に海外投資に特化した投資アドバイザリー会社「JBIC IG Partners(JBIC IG)」を、戦略コンサルティング会社の経営共創基盤(IGPI)と共同で設立したことだ。
JBIC IGの設立は、JBICにとって初の外部パートナーとの合弁会社の設立による投資プラットフォームの構築であり、IGPIの企業価値向上における知見とJBICの国際金融ネットワークを融合させることで、投資現場での実務を通じてリスクマネー供給のノウハウを蓄積することができた。
制度づくりの起点となったJBIC IGの設立と、民間企業との共同運営体制の確立は、前例のない挑戦だった。まさに手探りの連続だったと内田は振り返る。
「人への向き合い方も、大企業との関係とは異なります。ベンチャーキャピタル(VC)の運営は『個の集合体』で動く世界です。共同運営パートナー、現地チーム、そして投資先ファウンダーとの信頼関係が成否を左右します。異文化や言語の壁も含め、相互理解に時間とエネルギーを注ぐ重要性を痛感しました」
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