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トランプ関税2審も違法判断、「自爆災害」とクルーグマン 関税返還なら財政危機も

Trump Facing 'Self-Inflicted Disaster,' Nobel Prize-Winning Economist Says

2025年9月1日(月)19時47分
マーサ・マクハーディ

クルーグマンは、トランプが「解放の日」として輸入品への相互関税を発表した直前――つまり4月2日以前の時点では、アメリカ経済は安定していたと指摘した。

ただし、マッキンゼーおよび経済分析局(BEA)のデータによれば、2025年1〜3月のGDP成長率は年率換算で0.3〜0.5%のマイナスとなっており、2024年10〜12月の2.4%成長からは明確に減速していた。

その後、経済は持ち直し、2025年4〜6月期のGDP成長率は3.3%に達した(BEA調べ)。

仮に今回の判決が確定すれば、アメリカ政府はすでに徴収した関税の一部を返還する義務を負う可能性があり、これは連邦財政にとって大きな打撃となる。関税収入は7月時点で1,420億ドルに達し、前年同期比で2倍超に膨らんでいる。

司法省は今月の裁判資料の中で、「関税撤廃はアメリカに財政的破滅をもたらす可能性がある」と警告した。

トランプはこの判決を連邦最高裁への上告の意向も示しており、同じ投稿でこう述べた。

「今後は連邦最高裁の支援を得て、関税をアメリカの利益のために活用し、再びこの国を豊かで強く、力ある国にする」

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