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今こそ「古典的な」ディズニープリンセスに戻るべきでは?...結婚観が変わっても「不動の1位」は彼女

Is It Time To Reconsider a Fairytale Marriage? | Opinion

2025年6月9日(月)18時28分
シマ・ボーマン(ウッドラフ・J・ディーム記念法学教授)

1937年から始まった「クラシック・プリンセス」たちは、愛と優しさを広めながら、いつも王子に救われて結ばれる運命だった。白雪姫、シンデレラ、眠れる森の美女は、いずれも"真実の愛のキス"で救われ、王子と結婚して物語を終える。

1989年からの「ルネサンス期プリンセス」になると、目的は少し広がる。陸の世界を探検したり、街や塔、城から抜け出そうとしたり、自分のレストランを開こうとしたり――それでも最終的には王子との結婚というハッピーエンドを迎える。

アリエル、ベル、ジャスミン、ティアナ、ラプンツェルがそうだ。物語がやや複雑なポカホンタスやムーランでさえ、続編では結婚している。

だが2012年以降、「モダン・プリンセス時代」と呼ぶべき新たな流れが生まれた。従来のプリンセス像に対し、「男性に救われる無力な存在」といった批判が高まる中で、王子や結婚を物語の中心に据えないプリンセスたちが登場し始める。

2012年の『メリダとおそろしの森』では、メリダが両親の望む結婚を断固として拒否し、自分自身を見つめ直す旅に出る。『アナと雪の女王』のエルサには恋愛相手は登場せず、『モアナと伝説の海』も『ラーヤと龍の王国』も同様だ。

そして2025年公開予定の実写版『白雪姫』では、恋に落ちるものの、結婚には至らない。これはプリンセス像の劇的な転換点とも言える。

ディズニーだけがこの文化的変化を映し出しているわけではない。

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