最新記事
ミャンマー

【被害前・被害後を比較】衛星写真・現地映像で見る、ミャンマーの地震被害の凄まじさ

Satellite Images Show Before and After Myanmar Earthquake Devastation

2025年3月31日(月)19時20分
ピーター・エイトケン、ブレンダン・コール、ダニエル・オートン
マンダレーの倒壊した建物で負傷者を救助する救急隊員

マンダレーの倒壊した建物で負傷者を救助する救急隊員 somkanae sawatdinak-shutterstock

<28日に発生したミャンマーの地震。多くの建物が倒壊した様子は、衛星写真で確認できるほどのものだった>

3月28日、ミャンマーとタイをマグニチュード7.7の地震が襲った。この地震は、ミャンマー第2の都市マンダレー付近を震源としており、多くの建物が被害を受けた。

被害の大きさは、衛星写真にもはっきりと映し出されている。

【動画】衛星写真が示す、地震による被害

追い打ちをかけるように、地震発生直後にマグニチュード6.4の余震と、30日早朝にマグニチュード5.1の余震も発生している。


地震発生後の初期報告では、倒壊建物数および死傷者数は不明とされていた。

アメリカ地質調査所(USGS)は、1万人から10万人の死亡の可能性があると指摘したほか、29日に、「多くの死傷者および広範な被害が予想され、この災害は広域に及ぶ可能性が高い」とも述べた。

AP通信によれば、29日時点で、確認された死者は1600人超、負傷者は約3400人だった。

現地住民は、崩壊した建物や瓦礫の中で生存者の捜索と救助を続けている。

震源近くのマンダレーには約150万人が住んでいるが、その多くが余震による建物倒壊を懸念して、路上で一夜を過ごすことを余儀なくされた。住む場所を失った住民もいる。

マンダレーでは生き埋めも生じている。アマラプラ郡区では、救急隊員が瓦礫の下に閉じ込められた140人の僧侶の救出を行っている。

被害は隣国のタイにも及んだ。タイでは、この地震により少なくとも17人が死亡したと報告されている。バンコクでは、建設中の高層ビルの瓦礫の下に閉じ込められた人々を含む、83人の行方不明者の捜索が続いている。バンコク首都圏には1700万人以上が居住しており、その多くが高層アパートで暮らしていた。

SDGs
使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが「竹建築」の可能性に挑む理由
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

日銀、政策金利を現状維持:識者はこうみる

ワールド

ウクライナ南部オデーサに無人機攻撃、2人死亡・15

ビジネス

見通し実現なら利上げ、不確実性高く2%実現の確度で

ワールド

米下院、カリフォルニア州の環境規制承認取り消し法案
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に高く、女性では反対に既婚の方が高い
  • 2
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来が来るはずだったのに...」
  • 3
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が書かれていた?
  • 4
    ポンペイ遺跡で見つかった「浴場」には、テルマエ・…
  • 5
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 6
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 7
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 8
    クルミで「大腸がんリスク」が大幅に下がる可能性...…
  • 9
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 10
    悲しみは時間薬だし、幸せは自分次第だから切り替え…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 5
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 6
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 7
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 8
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口…
  • 9
    ポンペイ遺跡で見つかった「浴場」には、テルマエ・…
  • 10
    健康寿命は延ばせる...認知症「14のリスク要因」とは…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 10
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中