トランプの「国力低下」政策が止まらない!...世界トップクラスの大学を「潰したがる」理由
Destroying America’s Crown Jewel
実際にキャンパスで抗議活動を見てきた私は、圧倒的に平和的なものだったと感じている。もちろん、一部のプラカードや挑発的な掛け声に、ユダヤ人学生が不快な思いをさせられた可能性を否定するつもりはない。
しかしそれを理由に、アメリカの最も重要な自由の1つであり、優れた高等教育というアメリカ文化の本質である言論の自由を制限することを、正当化してはならない。
コロンビア大学の大学院を卒業してアメリカの合法的な永住権を持つマフムード・ハリル(Mahmoud Khalil)が、昨年の抗議活動を理由に逮捕され国外追放されようとしている。ここにトランプ政権の真意が明らかになった。
彼らの教育に対する戦争と言論に対する戦争は、根本的につながっているのだ。
トランプ政権はコロンビア大学に対し、荒唐無稽な要求に応じなければ4億ドル相当の助成金と契約を打ち切ると通告した。要求の1つは中東・南アジア・アフリカ研究学科を「管財管理下」に置くことで、学科の運営権を大学側から奪うことを意味する。
「私たちは今、米政府の権威主義的な乗っ取りの渦中にいる」と、コロンビア大学のリー・ボリンジャー(Lee Bollinger)元学長は語っている。
「私たちの問題の1つは想像力の欠如だ。事態が最も恐ろしい展開をたどるとどうなるのか、私たちは思い描けずにいる。三権分立を無力化し、メディアを無力化し、大学を無力化して、本当の目的へと進んでいくのだ」