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NY外為市場=ドル上昇、円は日銀の見通し引き下げ受け4週ぶり安値

2025年05月02日(金)05時47分

ニューヨーク外為市場では、トランプ米政権の関税措置を巡る各国との交渉に楽観的な見方が台頭する中、過度な売りが出ていたドルに買戻しが入った。一方、円は日銀が米国の高関税政策の影響を踏まえ成長率と物価の見通しを引き下げたことを受け下落した。(2025年 ロイター/Dado Ruvic)

[ニューヨーク 1日 ロイター] - ニューヨーク外為市場では、トランプ米政権の関税措置を巡る各国との交渉に楽観的な見方が台頭する中、過度な売りが出ていたドルに買戻しが入った。一方、円は日銀が米国の高関税政策の影響を踏まえ成長率と物価の見通しを引き下げたことを受け下落した。

日銀は金融政策の現状維持を全員一致で決定。展望リポート(経済・物価情勢の展望)では経済と物価の見通しが実現していくとすれば引き続き政策金利を引き上げる方針を示す一方で、基調的な物価上昇率が目標の2%に到達する時期を「見通し期間後半」とし、従来から後ずれさせた。

これを受け、円は対ドルで約4週間ぶりの安値を更新。1.7%安の145.52円を付けた。1日の下落率としては2024年11月以来の大きさになる見通し。

円は対ユーロでも下落し、4カ月ぶりの安値を更新。1.4%安の164.29円を付けた。

こうした中、トランプ大統領の関税措置を巡る各国との交渉に楽観的な見方が出ていることを背景に、ドルは広範な通貨に対して上昇。

TDセキュリティーズ(ニューヨーク)のグローバル外為ストラテジスト、ジャヤティ・バラドワジ氏は「トランプ政権は関税政策を巡り過度に強硬的だった可能性があると認識し、交渉の可能性について好ましい印象を与えようとしている」としている。

終盤の取引でユーロ/ドルは0.4%安の1.1286ドル。ポンド/ドルは0.4%安の1.3284ドル。

ドルは対スイスフランで0.6%高の0.8311フラン。

シルバー・ゴールド・ブル(トロント)の外為・貴金属リスク管理ディレクター、エリック・ブレガー氏は「先月のドル売りは落ち着いたようだ」とし、「全体としてドル相場は米国債の動きに追随している。国債の売りが止まり、ドルは上昇に転じた」と述べた。

市場では米労働省が2日に発表する4月の雇用統計が注目されている。

この日はメーデーで休場だった市場もあり、取引高は通常より薄かった。

ドル/円 NY午後4時 145.52/145.54

始値 144.26

高値 145.73

安値 144.16

ユーロ/ドル NY午後4時 1.1289/1.1290

始値 1.1332

高値 1.1341

安値 1.1267

ロイター
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