最新記事
SNS戦略

無関心な若者が熱狂、SNSを知り尽くしたハリス陣営成功の方程式

The Genius Behind Kamala Harris' Social Media Strategy

2024年8月21日(水)18時39分
アリス・コリンズ

6件の異なる世論調査でハリスがドナルド・トランプ前大統領をリードしていることからすれば、それはうまくいっているようだ。だが、グティエレスによれば、ハリス陣営は現状に甘んじることなく、勢いを加速していかなければならない。

「最近の世論調査でハリスがトランプに対して優位に立っているのは、彼女のデジタル・キャンペーンの効果によるところが大きい。しかし、トレンドコンテンツの賞味期限はせいぜい10日程度だ」

「ハリスの優位は意外ではないが、確実なものでもない。それはハリスのデジタル戦略担当者が心に留めておくべきことだ」

この一風変わった政治戦略によって、ハリスは有権者と親密な関係を築き、彼女の選挙運動との一体感を感じさせることができた。これにより、彼女に好感を抱かせるだけでなく、「感情的な結びつきを強める」効果もあるとグティエレスは言う。

しかし、効果はここまでかもしれないし、逆効果になる可能性もある。

「潜在的なメリットはあるものの、ハリスと彼女のチームは、砕けすぎた印象を与えないように注意しなければならない」と、グティエレスは本誌に語った。「あまりにも型破りなやり方は、ハリスのイメージに悪影響を与え、他の有権者を遠ざける可能性がある」

「世間に対してバランスをとることはきわめて重要だ。ソーシャルメディアとの関わりで、信頼性や選挙運動の認識が損なわれないようにすべきだ」

ハリスは自分らしさ満開のブラットな夏を過ごしているかもしれないが、有権者を惹きつけておくためには、もっとやらなければならないことがある。秋になったら、彼女はどんなシーズンを過ごすのだろうか?

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

EXCLUSIVE-米軍、中東に戦闘機追加配備 イ

ワールド

米、エルサレムの大使館を18─20日に閉鎖へ 治安

ワールド

インド・カナダが首脳会談、2年間の緊張関係を修復へ

ワールド

ウクライナ各地に大規模攻撃、18人死亡 首都の死者
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:コメ高騰の真犯人
特集:コメ高騰の真犯人
2025年6月24日号(6/17発売)

なぜ米価は突然上がり、これからどうなるのか? コメ高騰の原因と「犯人」を探る

メールマガジンのご登録はこちらから。
メールアドレス

ご登録は会員規約に同意するものと見なします。

人気ランキング
  • 1
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロットが指摘する、墜落したインド航空機の問題点
  • 2
    大阪万博は特に外国人の評判が最悪...「デジタル化未満」の残念ジャパンの見本市だ
  • 3
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の瞬間...「信じられない行動」にネット驚愕
  • 4
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高に…
  • 5
    「セレブのショーはもう終わり」...環境活動家グレタ…
  • 6
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波で…
  • 7
    「タンパク質」より「食物繊維」がなぜ重要なのか?.…
  • 8
    右肩の痛みが告げた「ステージ4」からの生還...「生…
  • 9
    アメリカは革命前夜の臨界状態、余剰になった高学歴…
  • 10
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越し…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中