最新記事
事件

客室乗務員の制止を聞かず、乗客が非常扉を開けて緊急スライドから飛び出す...米デルタ航空

2023年3月31日(金)18時20分
ビニサ・ジェイコブ
旅客機の機内(イメージ画像)

イメージ画像 enviromantic-iStock

<同機に乗り合わせた目撃者によれば、問題の乗客は何かに怯えているような様子で非常ドアに向かって走っていったという>

デルタ航空の乗客が離陸前に非常ドアを無理やり開け、緊急脱出用のスライドを滑り降りるという事態が発生した。容疑者は空港で身柄を拘束され、その後、フライトの遅延を招いたとして逮捕された。

■【動画】客室乗務員への暴行、迷惑行為、不適切な服装...飛行機内を騒がす迷惑な乗客たち

CNNによれば、騒動は3月25日、ロサンゼルス国際航空発・シアトル行のデルタ航空1714便の機内で発生した。CNNは連邦航空局(FAA)から入手した情報として、同機(ボーイング737型機)が現地時間の午前10時40分頃に離陸を控えて滑走路上にいたところ、乗客のひとりが非常ドアを開けて緊急脱出用のスライドを出したと報道した。

問題の乗客は、同機が搭乗ゲートを離れようとしていたタイミングで緊急脱出用のスライドを出した罪に問われている。

CBSニュースによれば、ロサンゼルス空港警察のカーラ・ロドリゲス警部は「問題の状況を受けてFBIに通報した」と述べ、さらにこう続けた。「デルタ航空機はゲートに引き返し、乗客を降ろしているところだ。彼らが予定どおり出発できるように、別の航空機に移ってもらう」

デルタ航空の従業員が問題の乗客の身柄を拘束し、その後、警察がこの乗客を逮捕した。

「動揺や不安を感じていた様子」

デルタ航空は騒動の後、次のような声明を出した。

「ロサンゼルス発・シアトル行のデルタ航空1714便は、規則違反を行う乗客がいたためゲートに引き返しました。同機が離陸を控えて地上走行を行っていたところ、乗客が航空機から脱出し、まずはデルタ航空の従業員によって拘束され、その後地元警察によって逮捕されました。ほかのお客様については、別の航空機に移っていただきました。ご不便をおかけしたこと、フライトに遅延が生じたことをお詫びいたします」

1714便に乗っていたジリアン・シェルドンは、問題の乗客が離陸前に非常ドアに向かって走っていったと語った。シェルドンはNBCロサンゼルス支局の取材に対して、「彼は明らかに何かに動揺していたか、緊張していたか、あるいは不安を感じていたかのように怯えていた」と述べた。

シェルドンはまた、問題の乗客は乗務員の指示を無視したとも証言した。「客室乗務員が彼を見て『座席に戻りなさい』と言うと、彼は『どうしよう』と言い、振り向いて非常ドアをつかんだ。乗務員が『ドアを開けてはいけません』と言って彼を止めたが、それから2秒もしないうちに彼はドアを開けた」

この問題については、現在も捜査が続けられている。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

自民党と日本維新の会、連立政権樹立で合意文書に調印

ワールド

ウクライナ、冬季ガス輸入3割拡大か ロ攻撃で施設損

ビジネス

日銀追加利上げ、12月やれるのではないか=三井住友

ビジネス

日銀、25年度GDPを小幅上方修正の可能性 関税影
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:日本人と参政党
特集:日本人と参政党
2025年10月21日号(10/15発売)

怒れる日本が生んだ「日本人ファースト」と参政党現象。その源泉にルポと神谷代表インタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号返上を表明」も消えない生々しすぎる「罪状」
  • 2
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 3
    本当は「不健康な朝食」だった...専門家が警告する「実は避けるべき」一品とは?
  • 4
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 5
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 6
    ニッポン停滞の証か...トヨタの賭ける「未来」が関心…
  • 7
    ギザギザした「不思議な形の耳」をした男性...「みん…
  • 8
    【インタビュー】参政党・神谷代表が「必ず起こる」…
  • 9
    「中国は危険」から「中国かっこいい」へ──ベトナム…
  • 10
    「認知のゆがみ」とは何なのか...あなたはどのタイプ…
  • 1
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号返上を表明」も消えない生々しすぎる「罪状」
  • 2
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以外の「2つの隠れた要因」が代謝を狂わせていた
  • 3
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 4
    まるで『トップガン』...わずか10mの至近戦、東シナ…
  • 5
    フィリピンで相次ぐ大地震...日本ではあまり報道され…
  • 6
    中国人が便利な「調理済み食品」を嫌うトホホな理由…
  • 7
    日本で外国人から生まれた子どもが過去最多に──人口…
  • 8
    「心の知能指数(EQ)」とは何か...「EQが高い人」に…
  • 9
    本当は「不健康な朝食」だった...専門家が警告する「…
  • 10
    「欧州最大の企業」がデンマークで生まれたワケ...奇…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 3
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に...「少々、お控えくださって?」
  • 4
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 5
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 6
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 7
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 8
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中