最新記事
ウクライナ情勢

ウクライナ軍兵士の凄技!自爆型ドローンがロシア戦車の開いたハッチに命中

Video Shows Ukraine Drone Fly Directly Into Open Hatch of Russian Tank

2023年3月7日(火)20時24分
トーマス・キカ

バフムト近郊の塹壕からドローンを飛ばすウクライナ兵(2022年11月) Leah Millis-REUTERS

<ウクライナ東部バフムトでの激しい戦闘のなか、ロシア軍の戦車がウクライナ軍のドローンの餌食になる姿を捉えた動画がソーシャルメディア上で拡散している>

3月6日にこの映像をツイッターに投稿したのは現在はポーランドに拠点を置くベラルーシの報道機関ネクスタ(Nexta)だ。ウクライナ戦争ネタでは有名だ。投稿によるとこの動画は、ウクライナ陸軍第54機械化旅団のK-2大隊のものだという。

ツイートには、こう書かれている。「ウクライナのドローンオペレーターが達人の技を見せ、シウェルスク近郊にいた占領者たちに『贈り物』を届けた。戦車から顔を出していたロシアの動員兵の脳天に、自爆型ドローンを落としたのだ」

動画は、ドローンの視点から撮影されたもののようだ。冒頭部分には、ドローンが灰色と茶色の地表の上を飛んでいる様子が映し出される。動画が半分くらい過ぎたところで、画面の真ん中に表示される照準線が、遠くで動く物体に焦点を合わせ始め、画面に「ロシア軍の戦車」という字幕が出る。ドローンは素早くこの戦車に接近を開始し、さらに近づくと、開いていたハッチから戦車の中に入るように見え、動画は突然「砂嵐」に変わる。爆発したようだ。

【動画】自爆ドローンをロシア戦車の開いたハッチに落とす凄技

ただしニューズウィークでは、この動画の信憑性について独自に確認することはできなかった。

ネクスタのツイートによると、この動画は、バフムト地区にあるウクライナの街、シウェルスク近郊で撮影されたものだという。このシウェルスクの南約38キロに位置し、この地区の行政中心地であるバフムト市は、2022年8月以降、ロシア軍とウクライナ軍が攻防を繰り広げる激戦地となっている。最近の報道では、ウクライナがこの地区から撤退するのではとの臆測も出ている。

ウクライナ高官はこうした噂を否定し、バフムトの支配権を維持することが主要な目標だと主張し続けているが、米英をはじめとする他国の防衛当局者は、この街には戦略的な価値はほとんどないと述べている。アメリカ国防総省のロイド・オースティン長官は6日、バフムトの陥落は、ロシア軍にとって戦略的に大きな意味を持つというよりは、「象徴的な」意味合いが強いとの見方を示した。英国の一部の軍事専門家も、ウクライナのバフムト防衛戦は、ロシア軍をより価値の低い標的へと誘導する計画の一環だと示唆している。

(翻訳:ガリレオ)

ニューズウィーク日本版 ISSUES 2026
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年12月30日/2026年1月6号(12月23日発売)は「ISSUES 2026」特集。トランプの黄昏/中国AIに限界/米なきアジア安全保障/核使用の現実味/米ドルの賞味期限/WHO’S NEXT…2026年の世界を読む恒例の人気特集です

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

タイ11月輸出、予想下回る前年比7.1%増 対米輸

ワールド

中国で一人っ子政策の責任者が死去、ネットで批判の投

ビジネス

11月百貨店売上は0.9%増で4カ月連続プラス、イ

ビジネス

物価目標「着実に近づいている」と日銀総裁、賃上げ継
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 2
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足度100%の作品も、アジア作品が大躍進
  • 3
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...どこでも魚を養殖できる岡山理科大学の好適環境水
  • 4
    素粒子では「宇宙の根源」に迫れない...理論物理学者…
  • 5
    ジョンベネ・ラムジー殺害事件に新展開 父「これま…
  • 6
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 7
    ノルウェーの海岸で金属探知機が掘り当てた、1200年…
  • 8
    ゴキブリが大量発生、カニやロブスターが減少...観測…
  • 9
    「個人的な欲望」から誕生した大人気店の秘密...平野…
  • 10
    「時代劇を頼む」と言われた...岡田准一が語る、侍た…
  • 1
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 2
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低く、健康不安もあるのに働く高齢者たち
  • 3
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開したAI生成のクリスマス広告に批判殺到
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 6
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 7
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 8
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 9
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 10
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 7
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 8
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中