最新記事
ロシア

話題のプーチン「アゴ写真」に重大な誤り...それでも「最低3人」と根強い「影武者」説

2023年3月25日(土)08時00分
ブレンダン・コール
ウラジーミル・プーチン大統領

マリウポリを訪問したプーチン(3月19日) Kremlin.ru/Handout via REUTERS

<「プーチンは影武者を使っている」の是非をめぐる議論が再燃する発端となったツイートには誤りが。それでも疑惑は繰り返し浮上する>

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が、ロシア軍の侵攻によって占領したウクライナ南部の港湾都市マリウポリを訪問した際の映像や画像をきっかけに、プーチンの「影武者説」が再燃している。特に、時期によって形状が異なっているように見える「アゴ」に注目が集まった。

■【写真】プーチン「影武者」説を再燃させた「顎」の比較写真...しかし撮影時期に重大な誤りが

ウクライナ内務省のアントン・ゲラシチェンコ顧問は、プーチンのアゴの部分を丸で囲んだ横顔の写真を3点並べてツイッターに投稿し、「あなたはどれが本物だと思うか?」と問いかけた。画像に付けられたキャプションはそれぞれの写真の撮影日について、右から3月19日にマリウポリで、3月18日にクリミアのセバストポリで、2月21日にモスクワで、としている。

これを見た人々からは、「2月のプーチンはアゴが3月の写真よりずっと引き締まっている」との指摘や、それぞれの髪の生え際が「同じに見えない」といった声も寄せられた。ウクライナ軍情報部のアンドリー・ユソフも、同国のキエフ・ポスト紙に「プーチンのように見える男がマリウポルを訪れた」と語った。

だが、このツイートには誤りがあった。左端の写真、つまり他の2枚の1カ月前に撮られたものとされている写真は、実際には今から3年以上前にあたる2020年2月に撮影されたものだとロイターが報じている。ゲラシチェンコ顧問がこの写真のキャプションを間違って記載したのが、意図的だったのかミスだったのかは分からない。

いずれにせよ、プーチンの「影武者説」はウクライナ侵攻が始まって以降、繰り返し浮上するものの決定的な証拠はない、というのが現状だ。例えば元ロシア軍情報将校のイーゴリ・ギルキンは、一般市民と対面しているプーチンは「偽物だ」と以前から主張している。

ウクライナ軍幹部も「見抜くのは難しい」

ウクライナ国防省の情報機関トップであるキリロ・ブダノフも昨年、プーチンには少なくと
も影武者が3人おり、プーチンに似せるために整形手術を受けていると述べた。

ウクライナ軍幹部のバディム・スキビツキーも、プーチンが影武者を使っていると主張しており、「本物のプーチンなのか、彼の代わりの人物なのか、見抜くのが難しいことがある」と語っている。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、豪首相と来週会談の可能性 AUKUS巡

ワールド

イスラエル、ガザ市に地上侵攻 国防相「ガザは燃えて

ビジネス

カナダCPI、8月は前年比1.9%上昇 利下げの見

ビジネス

米企業在庫7月は0.2%増、前月から伸び横ばい 売
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェイン・ジョンソンの、あまりの「激やせぶり」にネット騒然
  • 2
    ケージを掃除中の飼い主にジャーマンシェパードがまさかの「お仕置き」!
  • 3
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる」飲み物はどれ?
  • 4
    腹斜筋が「発火する」自重トレーニングとは?...硬く…
  • 5
    「日本を見習え!」米セブンイレブンが刷新を発表、…
  • 6
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 7
    観光客によるヒグマへの餌付けで凶暴化...74歳女性が…
  • 8
    「なにこれ...」数カ月ぶりに帰宅した女性、本棚に出…
  • 9
    「この歩き方はおかしい?」幼い娘の様子に違和感...…
  • 10
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 4
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 5
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 6
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 7
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 8
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 9
    埼玉県川口市で取材した『おどろきの「クルド人問題…
  • 10
    観光客によるヒグマへの餌付けで凶暴化...74歳女性が…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 6
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 7
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 8
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 9
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 10
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中