最新記事

ファッション

「服と関係ない」「不快」 裸のモデルの胸に手術跡...バーバリー広告に保守派が怒り心頭の訳

New Burberry Ad Sparks Republican Meltdown

2023年1月28日(土)15時40分
マシュー・インペリ
バーバリーのファッションショー

バーバリーのファッションショー(2016年9月) Neil Hall-Reuters

<高級ブランドの新広告キャンペーンに対し、服や香水とは関係のない思想を売り込み、自傷行為を美化しているなどと保守派から批判の声があがっている>

英高級ファッションブランド、バーバリーの新たな広告に対し、保守派の人々を中心に批判が巻き起こっている。両乳房切除のものとみられる胸の手術跡がはっきりと見える、上半身裸のモデルを起用したことについてだ。

■【写真】裸のモデルの胸に、手術跡が見えるバーバリーの広告写真

バーバリーは、「B:MINE」と題した新たな広告キャンペーンをInstagramで発表。広告の写真では、2人の人物が抱き合って顔を触れ合わせている。そのうちの1人には、両乳房切除の手術跡とみられるものがある。この手術は、がんの摘出や、性別を変える人のために行われるものだ。

この広告に保守派のTwitterユーザーらが反応しているが、その多くは批判的だ。広告のスクリーンショットを投稿したTwitterアカウント「Libs of TikTok」は、「バーバリーの新しい広告は、若く肉体的に健康な女性に、両乳房切除を勧めている」と述べた。

ソーシャルメディアサイト「Gettr」で働くキングスレー・コルテスは、バーバリーの過去の広告と今回の広告の写真を並べ、「かつてのバーバリーと、今のバーバリー」と投稿した。

別のユーザーで政治評論家の「MORGONN」は、「バーバリーを買いたくなくなる」と非難。ユーザー「CoClarified」は、「顧客を不快にさせるのは、私の考える堅実なマーケティングではないが、好きなようにすればいいよ、バーバリー」と書いた。

保守派の女性団体「コンサーンド・ウィメン・フォー・アメリカ」は、「バーバリーの新しい広告キャンペーンは服を売ることとは何の関係もなく、若い女性に対し、間違った体で生まれ、気持ちを楽にするには男性になるしかないというイデオロギーを売っている」と指摘。「自傷行為を美化し、常態化させるのはやめるべきだ」と述べた。

ユーザーの「GingerPolitical」は、この広告は「不快どころではない」とし、「子どもの人生を破壊することは罰せられるべきだ」と強く非難した。

「二度と買わない」「すべて捨てる」ボイコットの声も

Twitter上での反発に加え、バーバリーのInstagramの投稿にも批判のコメントが寄せられている。

「最悪の広告だ」「マーケティングチームをクビにしろ。これはジョークだ。あなたたちは服や香水を売っているのであって、アジェンダではない。もう二度と(バーバリーの)香水は買わない」という意見の他、バーバリーの製品をすべて「ごみ箱に捨てる」と書いたユーザーもいた。

高級ファッションブランドの広告については、「バレンシアガ」も昨年末、広告でボンデージ姿のテディベアを子供に持たせ、「子供を性の対象にしている」と批判を浴びた。その後、この広告はブランドのウェブサイトやソーシャルメディアのページから削除されたが、多くの人がバレンシアガのボイコットを呼びかけている。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

アングル:変わる消費、百貨店が適応模索 インバウン

ビジネス

世界株式指標、来年半ばまでに約5%上昇へ=シティグ

ビジネス

良品計画、25年8月期の営業益予想を700億円へ上

ビジネス

再送-SBI新生銀行、東京証券取引所への再上場を申
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:大森元貴「言葉の力」
特集:大森元貴「言葉の力」
2025年7月15日号(7/ 8発売)

時代を映すアーティスト・大森元貴の「言葉の力」の源泉にロングインタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、ネットが感動の渦
  • 2
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に...「曾祖母エリザベス女王の生き写し」
  • 3
    トランプ関税と財政の無茶ぶりに投資家もうんざり、「強いドルは終わった」
  • 4
    日本企業の「夢の電池」技術を中国スパイが流出...AP…
  • 5
    アメリカを「好きな国・嫌いな国」ランキング...日本…
  • 6
    アメリカの保守派はどうして温暖化理論を信じないの…
  • 7
    名古屋が中国からのフェンタニル密輸の中継拠点に?…
  • 8
    完璧な「節約ディズニーランド」...3歳の娘の夢を「…
  • 9
    【クイズ】日本から密輸?...鎮痛剤「フェンタニル」…
  • 10
    ハメネイの側近がトランプ「暗殺」の脅迫?「別荘で…
  • 1
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...父親も飛び込み大惨事に、一体何が起きたのか?
  • 2
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、ネットが感動の渦
  • 3
    日本企業の「夢の電池」技術を中国スパイが流出...APB「乗っ取り」騒動、日本に欠けていたものは?
  • 4
    後ろの川に...婚約成立シーンを記録したカップルの幸…
  • 5
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に..…
  • 6
    「やらかした顔」がすべてを物語る...反省中のワンコ…
  • 7
    「本物の強さは、股関節と脚に宿る」...伝説の「元囚…
  • 8
    「飛行機内が臭い...」 原因はまさかの「座席の下」…
  • 9
    為末大×TAKUMI──2人のプロが語る「スポーツとお金」 …
  • 10
    職場でのいじめ・パワハラで自死に追いやられた21歳…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事故...「緊迫の救護シーン」を警官が記録
  • 4
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 5
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 6
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 7
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 8
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 9
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 10
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越し…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中