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セベロドネツクが落ちても「撤退はしない、次の作戦に移る」──ルハンスク州知事

Exclusive: Ukraine Troops Retreating in Donbas Have a Plan, Luhansk Governor Says

2022年6月2日(木)16時06分
デービッド・ブレナン、エフゲニー・ククリチェフ

いずれにせよ、ロシア軍は近いうちにセベロドネツクを完全に制圧する構えだ。ロシア軍部隊がさらにドネツ川を渡って隣接するリシチャンスク市も掌握し、ルハンスク州の完全掌握を果たせるかどうかは、現時点ではまだ分からない。

ハイダイは、セベロドネツクに残っているウクライナ軍部隊は、ドネツ川を渡ってリシチャンスクに後退する準備ができていると説明した。セベロドネツクが陥落すれば、ルハンスク州でウクライナの支配下に残るのはリシチャンスクのみとなる。

「軍司令部とは常に連絡を取り合っており、戦略的退却の選択肢について議論している」とハイダイは説明した。

「いざという時の退避先になる隣接のリシチャンスク市は、セベロドネツクからさほど遠くなく、より高台に位置しているため戦略的にはずっと重要な地域だ。しかしロシアにとっては、この地域の中心地であるセベロドネツクの方が重要な標的なのだ」

「戦闘は今後も続き、ウクライナ軍が包囲されることはないだろう。弾薬の供給は今後も行う。ウクライナ軍は拠点を維持し、リシチャンスクからロシア軍に対する攻撃を行うことができる」

「地の利があるという点で、セベロドネツクでロシア軍に抵抗するよりも、ウクライナ軍の状況は良くなるはずだ」

「第二のマリウポリにはならない」

ロシア側からの激しい攻撃に遭っているものの、ウクライナ軍の各部隊は、西側からセベロドネツクにアクセスできる状態にあるとハイダイは述べ、「ここが(ロシア軍に包囲された南部の)マリウポリのようになるとは思っていない」と語った。

マリウポリは今や、ロシアの侵攻によってもたらされる「死」や「破壊」と同義語になっている。地元の複数の当局者によれば、民間人の犠牲者は2万2000人にのぼる可能性がある。

だが当局者たちは、犠牲者の正確な人数を把握することは不可能だとも述べた。被害規模が大きく、ロシア側が現場での処刑、拷問、レイプや強制移住などの残虐行為を隠蔽している疑いがあるためだ(ロシア政府はいずれの行為も否定している)。

ハイダイは、セベロドネツクがマリウポリと同じ道をたどることはないという主張について、理由をこう説明した。「第一にセベロドネツクは包囲されていないので、ウクライナ軍は戦略的に退却できる。第二に、ロシア軍は市の一部を既に占領しているため、ミサイルなどで空爆はしにくい」

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