最新記事

台湾海峡

台湾有事を想定した動画を中国軍が公開

China Shows What Happens 'If War Breaks Out' Amid Taiwan Tensions with U.S.

2020年9月23日(水)18時20分
トム・オコナー

米中の対立の激化とともに、台湾海峡の緊張も増してきた。

不公正な貿易慣行から人権侵害、新型コロナウイルスの感染拡大に至るまで、米中両国は非難合戦を繰り広げているが、最近は特に、東のインド国境や香港、東シナ海、南シナ海、台湾を含むアジア太平洋地域に対する領土主張を守ろうとする中国の姿勢が目立っている。

9月に発表された中国の軍事力に関する最新の米国防総省の年次報告書は、「中国は台湾問題を米中間で最も重要で危機をはらむ問題と見なし続けている」ことを明らかにした。

報告書は、軍事力で台湾を奪還する準備をしていると述べている。中国の習近平(シー・チンピン)国家主席は平和的統一の促進を主張したが、台湾支配のための軍事作戦も排除していない。

21日のFOXニュースとのインタビューで、ドナルド・トランプは米大統領は米中関係についてかなり強気の発言をしたが、台湾海峡における最近の中国の軍事活動にどう対応するか、具体的には明かさなかった。ただ、中国が「もし戦おうとするなら、中国は大問題を抱えることになる」と脅した。

習近平の建前論

トランプは21日にオンラインで行われた国連75周年記念総会には姿を見せず、代わりにチェリス・ノーマン・シャレー米国副常任大使代行が記念の言葉を述べた。習はトランプよりも柔らかいトーンで、75周年を記念する演説を行った。

習はアメリカに言及することなく、米中の対立について言及した。

「冷戦時代の考え方、イデオロギーの垣根、ゼロサムゲームは、国内の問題の解決策となることはないし、ましてや人類の共通の課題に対する答えにもならない」と、習は述べた。「私たちがする必要があるのは、紛争を対話に、強制を協議に、ゼロサムをウインウイン(共に利益となる)に置き換えることだ」

(翻訳:栗原紀子)

<参考記事>中国外務省、発足初日の菅内閣に注文「日本が台湾と関係強化しないことを希望」
<参考記事>台湾訪問のチェコ上院議長「私は台湾市民」立法院で演説 中国「内政問題に干渉、強く非難する」

20200929issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

9月29日号(9月23日発売)は「コロナで世界に貢献した グッドカンパニー50」特集。利益も上げる世界と日本の「良き企業」50社[PLUS]進撃のBTS

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、ヘイリー氏を副大統領候補に検討との報道

ビジネス

米石油・ガス掘削リグ稼働数、3週連続減少=ベーカー

ワールド

焦点:中国農村住民の過酷な老後、わずかな年金で死ぬ

ワールド

アングル:殺人や恐喝は時代遅れ、知能犯罪に転向する
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:岸田のホンネ
特集:岸田のホンネ
2024年5月14日号(5/ 8発売)

金正恩会談、台湾有事、円安・インフレの出口......岸田首相がニューズウィーク単独取材で語った「次の日本」

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 2

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋戦争の敗北」を招いた日本社会の大きな弱点とは?

  • 3

    「終わりよければ全てよし」...日本の「締めくくりの文化」をジョージア人と分かち合った日

  • 4

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 5

    ウクライナの水上攻撃ドローン「マグラV5」がロシア…

  • 6

    横から見れば裸...英歌手のメットガラ衣装に「カーテ…

  • 7

    「未来の女王」ベルギー・エリザベート王女がハーバー…

  • 8

    「私は妊娠した」ヤリたいだけの男もたくさんいる「…

  • 9

    ブラッドレー歩兵戦闘車、ロシアT80戦車を撃ち抜く「…

  • 10

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 1

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 2

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地ジャンプスーツ」が話題に

  • 3

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋戦争の敗北」を招いた日本社会の大きな弱点とは?

  • 4

    「恋人に会いたい」歌姫テイラー・スウィフト...不必…

  • 5

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 6

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 7

    外国人労働者がいないと経済が回らないのだが......…

  • 8

    ウクライナ防空の切り札「機関銃ドローン」、米追加…

  • 9

    日本の10代は「スマホだけ」しか使いこなせない

  • 10

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 6

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 7

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 10

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中