最新記事

感染症対策

インドネシア、隔離要請に従わない場合は「幽霊屋敷」に収容

2020年4月27日(月)15時30分
松丸さとみ

デジタルメディアのvice.comによると、スラゲン県では新型コロナウイルスの感染者数は5人だが、その全員が県外から来た人だった。そこで、スラゲン県のクシュディナール・ウントゥング・ユニ・スコワティ知事は、県を封鎖しない代わりに、県外から来た人たちに対し、同県に到着したら14日間の自主隔離をするよう求めた。

知事は一方で、県内の各地区に対し、「霊がついている」とされている家を用意するよう呼びかけた。自主隔離要請を無視した人を収容する施設として使うのだ。捕まったら、「幽霊屋敷」に入れられて外からカギをかけられ、隔離期間の残りをそこで過ごすことになる。vice.comによると、22日の時点で5人が幽霊屋敷で隔離生活を送っていた。

「幽霊は見ていないけど要請無視を後悔」

インドネシアの英字紙ジャカルタ・ポストによると、スラゲン県のセパト村では、長年放置されていた物件が「幽霊屋敷」として選ばれた。距離を置いて設置されたベッドはカーテンで仕切られ、これまで3人がここで隔離生活を送った。そのうちの1人で、スマトラ島から帰省中に捕まってしまったというヘリ・スサントさんは、「今のところ」幽霊は見ていない、とAFPに語ったという。

vice.comによるとスサントさんは、スラゲン県に帰省してすぐ、子どもにおもちゃをせがまれて街へ買い物に出たときに捕まってしまった。隔離中は家族にも会えなかったとのことで、知事の要請を無視したことを後悔しているし、安全のための措置だと今は理解している、と地元メディアに話したという。

なお、インドネシアのケプー村では4月中旬、夜間の外出を抑制するために、ボランティアの人たちが白い布を身にまとい、「ポコン」と呼ばれる同国に伝わる幽霊に扮してパトロールするという、独特な対策が話題になっていた。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

「バーゼル3」最終規則、25年1月適用開始をEU最

ワールド

南ア総選挙、与党ANCが過半数割れの公算 開票始ま

ワールド

ロシア軍、ハリコフ州で増強 攻勢には不十分とウクラ

ワールド

EU、エネルギー憲章条約脱退で合意 気候変動取り組
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:イラン大統領墜落死の衝撃
特集:イラン大統領墜落死の衝撃
2024年6月 4日号(5/28発売)

強硬派・ライシ大統領の突然の死はイスラム神権政治と中東の戦争をこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    ハイマースに次ぐウクライナ軍の強い味方、長射程でクラスター弾搭載可能なATACMS

  • 2

    仕事量も給料も減らさない「週4勤務」移行、アメリカで増加中...導入企業が語った「効果と副作用」

  • 3

    中国海軍「ドローン専用空母」が革命的すぎる...ゲームチェンジャーに?

  • 4

    地球の水不足が深刻化...今世紀末までに世界人口の66…

  • 5

    「天国に一番近い島」で起きた暴動、フランスがニュ…

  • 6

    メキシコに巨大な「緑の渦」が出現、その正体は?

  • 7

    都知事選の候補者は東京の2つの課題から逃げるな

  • 8

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 9

    プーチンの天然ガス戦略が裏目で売り先が枯渇! 欧…

  • 10

    ウクライナ、ロシア国境奥深くの石油施設に猛攻 ア…

  • 1

    ロシアの「亀戦車」、次々と地雷を踏んで「連続爆発」で吹き飛ばされる...ウクライナが動画を公開

  • 2

    自爆ドローンが、ロシア兵に「突撃」する瞬間映像をウクライナが公開...シャベルで応戦するも避けきれず

  • 3

    「なぜ彼と結婚したか分かるでしょ?」...メーガン妃がのろけた「結婚の決め手」とは

  • 4

    中国海軍「ドローン専用空母」が革命的すぎる...ゲー…

  • 5

    黒海沿岸、ロシアの大規模製油所から「火柱と黒煙」.…

  • 6

    戦うウクライナという盾がなくなれば第三次大戦は目…

  • 7

    ハイマースに次ぐウクライナ軍の強い味方、長射程で…

  • 8

    ウクライナ悲願のF16がロシアの最新鋭機Su57と対決す…

  • 9

    「天国にいちばん近い島」の暗黒史──なぜニューカレ…

  • 10

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 1

    半裸でハマスに連れ去られた女性は骸骨で発見された──イスラエル人人質

  • 2

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 3

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 4

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 5

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 6

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 7

    ロシアの「亀戦車」、次々と地雷を踏んで「連続爆発…

  • 8

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 9

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋…

  • 10

    自爆ドローンが、ロシア兵に「突撃」する瞬間映像を…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中