<研究者も注目する小さなキノコの脅威のパワー>

食欲の秋。おいしいものを食べたいけれど年齢的にそろそろ食事にも気を使わないと......。

そんなあなたにおすすめなのがキノコだ。最新の研究によれば、キノコはおいしいだけでなく、老化防止にも効果があるようだ。

米ペンシルベニア州立大学の研究チームは、13種類のキノコについて、アンチエイジングに効果があるとされる抗酸化物質エルゴチオネインとグルタチオンの含有量を調べた。その結果、ダントツのトップは高級食材として知られるポルチーニ。

普通のマッシュルームの含有量はキノコの中では少ないほうだが、それでも他の食品より多いことが分かった。おまけに、キノコ類に含まれる抗酸化成分は熱に強く、加熱調理しても壊れにくいという。

「食べた物を体内で酸化してエネルギーをつくり出す際に、副産物として大量のフリーラジカルが発生する。その多くが非常に有害だという説がある」と、同大学のロバート・ビールマン名誉教授は言う。

フリーラジカルとは、普通なら2個で一対をなして安定している電子が1つしかない分子のこと。そのため不安定で反応しやすく、安定するために他の分子から電子を奪い取ろうとして細胞にダメージを与え、老化を加速させる。スキンケア用品のCMでもおなじみの言葉だ。

ビールマンによれば、「人体にはフリーラジカルによる酸化作用のほとんどを抗酸化物質などの抗酸化作用でコントロールする機能がある」。だがそのバランスが崩れると「酸化作用の蓄積が細胞を傷つけ、それが癌や冠動脈性心疾患、アルツハイマー病の多くに関連しているとみられている」という。

本格的な検証や研究はこれからだが、ビールマンによれば、エルゴチオネインの含有量の豊富な食事をしているフランスやイタリアなどではパーキンソン病やアルツハイマー病といった神経変性疾患のリスクが低い。一方、エルゴチオネインの含有量が少ない食事をしているアメリカなどではリスクが高い。

食事からの抗酸化物質の摂取量が多い国と少ない国の差は1日平均約3ミリグラム、マッシュルームなら5個分だ。おいしくてヘルシーで、おまけにコスパもいいのだから食べなきゃ損だ。

【お知らせ】ニューズウィーク日本版メルマガのご登録を!

気になる北朝鮮問題の動向から英国ロイヤルファミリーの話題まで、世界の動きを

ウイークデーの朝にお届けします。
ご登録(無料)はこちらから=>>

ニューズウィーク日本版 進化する世界の鉄道
2026年10月20日号(10月14日発売)は「進化する世界の鉄道」特集。

鉄道黄金期を迎えたヨーロッパを旅する――コリン・ジョイス(ジャーナリスト)/豪快かつ特異なアメリカ大陸鉄道史/膨張する中国鉄路の野望/「夢の超特急」リニアの現実/韓国、アフリカ、インド……世界を駆ける鉄道新事情

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら
※画像をクリックするとアマゾンに飛びます