政府機関の閉鎖か、国境の壁公約撤回か トランプに迫る危険な選択肢
民主党の支持が見込めない中、共和党のマコネル上院院内総務は予算を成立させるために壁建設費用の計上を見送ると両党の議会関係者は予想している。
下院は壁建設の初期費用16億ドルを含む歳出法案を通過させている。デント議員は上院がこの費用を除いた法案を可決し、下院に再採決を求める公算が大きいとの見方を示した。その場合、政府閉鎖を回避するためなら賛成票を投じると述べた。
当面の解決策
議会が数カ月間の暫定予算を可決すれば政府閉鎖は当面回避され、長期的な予算をまとめる時間を稼ぐことができる。議会はこの予算継続審議と呼ばれる手法をこれまで何度も活用してきた。
暫定予算を策定すれば、ハリケーンがもたらしたテキサス州の洪水被害への支援が盛り込まれる可能性がある。
だがトランプ氏は28日、復興の取り組みと政府閉鎖の回避に関しては「何の関係もない。別の問題だ」と明言。閉鎖しないことが望ましいとしながらも「それが必要なら考えなければならない」として、閉鎖の可能性を排除しなかった。
トランプ氏が壁建設費用を除いた暫定予算案を承認すれば、予算の期限とみられる12月までは対立を先送りすることができる。
ハリケーンによる被害者支援のための資金確保と連邦政府の債務上限引き上げの問題が、予算を巡る協議を複雑にしている。
解決策の一つは壁建設予算を分離することだ。共和上院ナンバー2のコーニン院内幹事は4年間にわたって国境管理強化に150億ドルを投じる法案を提出している。ただこの法案も少なくとも8人の民主党議員の賛成が必要だ。
(Amanda Becker, Susan Cornwell記者)
*1段落目冒頭の「米連邦政府の債務上限引き上げの期限とされる10月1日まで」を、「10月1日まで」に訂正しました。