最新記事

世界遺産

世界遺産に登録勧告の沖ノ島、「女人禁制」の風習は外国人には謎だらけ

2017年5月12日(金)18時15分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

沖ノ島の宗像大社「沖津宮」 Wikimedia Commons

<女は行けないの!?――新たな世界遺産誕生で、日本の風習に興味津々の海外>

福岡県の古代遺跡「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」に伝わる「女人禁制」のしきたりが、海外でにわかに話題になっている。

ユネスコ傘下のICOMOS(国際記念物遺跡会議)から世界文化遺産登録するよう勧告されたことで、海外メディアは「男性専用の島」、「タブーが残る島」など、この地に伝わる神道信仰を取り上げている。

【参考記事】ありがた迷惑な「世界遺産」登録

「なんでダメなの?」

九州本土から約60キロメートル離れた福岡県宗像市に属する沖ノ島は、古代から「女人禁制」、「一木一草一石たりとも持ちだすことを禁ずる」などの掟を敷くことで、信仰の形を現在まで守り続けてきた。

#2017 #沖ノ島 #宗像大社 #沖津宮 #禊場 #okinoshima #japan #fukuoka #munakata

Hiroaki Horieさん(@uglove)がシェアした投稿 -


しかしながら、外国人観光客にとって気になるのは「世界遺産を訪れることができるかどうか」だ。英BBCは、現在、性別によって沖ノ島への入域が制限されること自体は議論にならないとし、正式に世界遺産に登録されても「女人禁制」を守る自治体の方針を伝えた。

神が宿るにしても、なんで女性はだめなの?


英テレグラフ紙は2016年11月に、沖ノ島を紹介する記事を掲載した。このなかで、女性を「不浄」として上陸を許可しないという宗教的な理由を説明。また、日本で女性の入域を制限する場所があることは国外にはあまり知られていないと指摘。沖ノ島のほか、2004年に世界遺産に登録された吉野熊野国立公園内の大峰山の一部も同様に女性の立ち入りが禁止されていると伝えている。

【参考記事】マスターズを揺るがす「女人禁制」騒動

ニュース速報

ビジネス

金融庁、LBO市場のリスク分散や投資先拡大へ 金融

ワールド

トルコリラ最安値更新、21年危機以来の急落 安定化

ビジネス

ECBの利上げ効果、浸透に通常より時間かかる=シュ

ビジネス

中国輸出、5月予想以上の落ち込み 内外の需要低迷で

MAGAZINE

特集:最新予測 米大統領選

2023年6月13日号(6/ 6発売)

トランプ、デサンティス、ペンス......名乗りを上げる共和党候補。超高齢の現職バイデンは2024年に勝てるのか

メールマガジンのご登録はこちらから。

人気ランキング

  • 1

    「中で何かが動いてる」と母 耳の穴からまさかの生き物が這い出てくる瞬間

  • 2

    ワグネルは撤収と見せかけてクーデーターの機会を狙っている──元ロシア軍情報部門将校 

  • 3

    性行為の欧州選手権が開催決定...ライブ配信も予定...ネット震撼

  • 4

    元米駆逐艦長が「心臓が止まるかと」思ったほど危機…

  • 5

    キャサリン妃が「ピンクのドレス」2着に込めた、「…

  • 6

    自社株買いでストップ高!「日本株」の評価が変わり…

  • 7

    敗訴ヘンリー王子、巨額「裁判費用」の悪夢...最大20…

  • 8

    嵐で破壊された米クルーズ船の乗客が撮影...浸水する…

  • 9

    「白米はよくない」? 健康と環境の両面で知ったこと…

  • 10

    メーガン妃が「絶対に誰にも見られたくなかった写真…

  • 1

    ロシアの「竜の歯」、ウクライナ「反転攻勢」を阻止できず...チャレンジャー2戦車があっさり突破する映像を公開

  • 2

    「中で何かが動いてる」と母 耳の穴からまさかの生き物が這い出てくる瞬間

  • 3

    「日本ネット企業の雄」だった楽天は、なぜここまで追い込まれた? 迫る「決断の日」

  • 4

    米軍、日本企業にTNT火薬の調達を打診 ウクライナ向…

  • 5

    「ダライ・ラマは小児性愛者」 中国が流した「偽情報…

  • 6

    敗訴ヘンリー王子、巨額「裁判費用」の悪夢...最大20…

  • 7

    【ヨルダン王室】世界がうっとり、ラジワ皇太子妃の…

  • 8

    【画像・閲覧注意】ワニ40匹に襲われた男、噛みちぎ…

  • 9

    どんぶりを余裕で覆う14本足の巨大甲殻類、台北のラ…

  • 10

    ウクライナ側からの越境攻撃を撃退「装甲車4台破壊、戦…

  • 1

    【画像・閲覧注意】ワニ40匹に襲われた男、噛みちぎられて死亡...血まみれの現場

  • 2

    世界がくぎづけとなった、アン王女の麗人ぶり

  • 3

    カミラ妃の王冠から特大ダイヤが外されたことに、「触れてほしくない」理由とは?

  • 4

    「ぼったくり」「家族を連れていけない」わずか1年半…

  • 5

    F-16がロシアをビビらせる2つの理由──元英空軍司令官

  • 6

    築130年の住宅に引っ越したTikToker夫婦、3つの「隠…

  • 7

    歩きやすさ重視? カンヌ映画祭出席の米人気女優、…

  • 8

    「飼い主が許せない」「撮影せずに助けるべき...」巨…

  • 9

    預け荷物からヘビ22匹と1匹の...旅客、到着先の空港…

  • 10

    キャサリン妃が戴冠式で義理の母に捧げた「ささやか…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story

MOOK

ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中