最新記事

トランプ大統領

トランプの父親失格を暴く元妻の回想録

2017年4月7日(金)10時50分
ルース・グラハム

昨年の大統領選では、集会中に泣きだした赤ちゃんを母親ともども会場から追い出した。赤ん坊は大好きだ、泣いてもいいぞと言った直後のことだった。そのときトランプは「演説中に赤ん坊に泣かれても平気だという話を、あの母親は真に受けたらしい」とうそぶいた。

これだけ子育てや母親の役割を見下しておきながら、事あるごとに成人した子供たちを自慢し、自分の手柄だとアピールするのは筋が通らない。

【参考記事】アメリカを対テロ戦争に導いた、ブッシュ元大統領の贖罪とは

イバンカ以下3人にどんな取り柄があるのか、筆者は知らない。高級な服を着て、いつも父親の後ろに笑顔で控えていて、父親に絶対的な忠誠を示しているだけだ。たとえ彼らが思いやりと知性のかがみだったとしても、それは父親ではなく母親の努力のたまものだろう。

イバナは離婚に際して守秘義務契約を結んでいるから、今度の回想録に赤裸々な暴露は期待できない。しかしイバナは以前から、元妻にしかできないやり方で彼をコケにしてきた。

昨年4月、ニューヨーク・ポスト紙のインタビューではトランプの出馬にエールを送りながらも体形を笑い、ペニスのサイズに触れ、彼がスキー場でかんしゃくを起こしたときの情けないエピソードまで披露した。

1回のインタビューでここまで元夫を笑い飛ばせるイバナが本を書くのだ。大統領もうかうかしてはいられない。

[2017年4月11日号掲載]

© 2017, Slate

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ロシアの動き見極め次の措置決定、ウクライナ大統領 

ワールド

情報BOX:トランプ大統領の中東歴訪、AI・エネル

ワールド

サウジ政府系ファンド、複数の米資産運用大手と数十億

ビジネス

米、関税交渉の一環でドル安模索せず=報道
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:2029年 火星の旅
特集:2029年 火星の旅
2025年5月20日号(5/13発売)

トランプが「2029年の火星に到着」を宣言。アメリカが「赤い惑星」に自給自足型の都市を築く日

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    加齢による「筋肉量の減少」をどう防ぐのか?...最新研究が示す運動との相乗効果
  • 2
    心臓専門医が「絶対に食べない」と断言する「10の食品」とは?...理想は「1825年の食事」
  • 3
    ゴルフ場の近隣住民に「パーキンソン病」多発...原因は農薬と地下水か?【最新研究】
  • 4
    トランプ「薬価引き下げ」大統領令でも、なぜか製薬…
  • 5
    iPhone泥棒から届いた「Apple風SMS」...見抜いた被害…
  • 6
    カヤック中の女性がワニに襲われ死亡...現場動画に映…
  • 7
    終始カメラを避ける「謎ムーブ」...24歳年下恋人とメ…
  • 8
    サメによる「攻撃」増加の原因は「インフルエンサー…
  • 9
    あなたの下駄箱にも? 「高額転売」されている「一見…
  • 10
    母「iPhone買ったの!」→娘が見た「違和感の正体」に…
  • 1
    心臓専門医が「絶対に食べない」と断言する「10の食品」とは?...理想は「1825年の食事」
  • 2
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
  • 3
    加齢による「筋肉量の減少」をどう防ぐのか?...最新研究が示す運動との相乗効果
  • 4
    ゴルフ場の近隣住民に「パーキンソン病」多発...原因…
  • 5
    カヤック中の女性がワニに襲われ死亡...現場動画に映…
  • 6
    母「iPhone買ったの!」→娘が見た「違和感の正体」に…
  • 7
    シャーロット王女の「親指グッ」が話題に...弟ルイ王…
  • 8
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの…
  • 9
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つ…
  • 10
    ロシア機「Su-30」が一瞬で塵に...海上ドローンで戦…
  • 1
    心臓専門医が「絶対に食べない」と断言する「10の食品」とは?...理想は「1825年の食事」
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの…
  • 5
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つ…
  • 6
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 7
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 8
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 9
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新…
  • 10
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中